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160 線路は続くよどこまでも

 アリアは串カツ山盛りですっかり機嫌が直っていた。


「ほなこれ持ち帰りも頼むなー」

「ほい、わかったアルね」


 アリアは次の日の分もまとめて串カツを山盛りさらに追加で注文していた。

 あああー、コレでまた私の給料が吹っ飛んでしまう……。


 だがこれで機嫌が直るならまあ安いものなのかもしれない。

 明日からも仕事をしてもらわないといけないのだ。


 数日引き籠っていたパラケルススは何かの材料を探しにどこかに行ってしまった。

 仕方ないので宿舎のスマートハウス計画はしばらく計画が止まったままになりそうだ。

 アリアはその間別の工事の仕事を頼むことにした。


 次の仕事は、鉄道の敷設だ。

 このバーレンヘイムには無駄に土地が多い、しかしその分使える場所が少ないのだ。

 遠い場所に行くのに空を飛ぶことができる魔物ならまだしも、あまり動けない魔物は移動するのが難しい。


 そういう意味では騎竜戦艦を使っての移動も考えられるが、それはあくまでも突発的に大量に動く場合であって、流動的にいつでも移動できる交通網を作ることがこのバーレンヘイムの活性化を促すことになるだろう。


「アリア、それでどういう工事を進めることができると思う?」

「せやなー、鉄道敷設ってのはウチも初めての仕事や。線路を引いてそこに車を走らせるって事やろ」

「まあそうなりますね、スタッフは確保できそうですか?」

「そこは問題あらへんで、ウチの仲間はどいつもこいつも腕に自慢のある力持ちばかりや。山くらい持ち上げれる奴もおるで」


 まあ魔族の中には小さな山くらい一瞬で砕いたり投げたりすることのできる奴らもゴロゴロといる。

 小型、中型魔族は大型魔族の持ってきた物や建てた物を繋いだり組み立てたりできる。

 反対に大型魔族は持ってきた物を細かく繋いだりくみ上げることは苦手だ。


 この二つをお互い使い合うことにより、工事は効率的に進めることができる。

 このペースでやれば数か月でバーレンヘイム全土に鉄道を敷設することも可能だ。


 それにこれは軍事的に考えても、食糧事情的に考えてもメリットになる。


 後はどのような車両を走らせる事ができるかが問題だ、しかしその車両を作れそうな張本人は今どこかに行ってしまっている。


 それなので、この線路に使う車は実際に庁舎に食料を運び込んでいる魔獣車のサイズに合わせた。

 この魔獣車がそのまま使えるとするなら、それに魔獣に変わる何かを使えば鉄道はそのまま使えるわけだ。

 アリア達に任せれば線路の敷設はそれほど時間のかかるものではなさそうだ。

 後はパラケルススが戻ってくるのを待ってからの作業になるだろう。


 スタッフの確保は出来た。

 それに食事や福利厚生は私が数日のうちに手配をしたので、住宅課の土木建設班は問題がなさそうだ。


「ダーリン、ウチもう準備はできてるでー、後はあのチンチクリンが戻ってくるのを待つだけや」

「そうですね、彼女は一体どこに行ってるのでしょうか?」


 パラケルススはその後も数日戻ってこなかった。

 仕方が無いので彼女抜きで鉄道の敷設工事がスタートすることになった。


「皆さん、それでは工事を開始します」

「おう、任せなー!!」

「よっしゃー、アンタら、仕事やでー!!」


 そして工事がスタートした。


「ちょっと待つのだー!! ワシ抜きで面白いことを始めるなんてズルいのだー!!」


 この声は、間違いない。


「パラケルススさん、ずいぶん時間かかりましたね」

「すまないのだ、でもその分良い物色々と持って帰ってきたのだー!!」


 パラケルススの後ろには大小色々なゴーレムが両手いっぱいに何かの鉱物や素材らしいものを持っていた。


「では、そろそろ作戦開始なのだー!」

「ウチも本気出すでー!」

「オレ達も行くぞ野郎ども」

「オー!」


 そして鉄道敷設工事が開始された。

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