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16 触手VS書類の山

 私の触手部隊は意思を持った触手である。

 意思を持っているだけに私の能力の劣化コピーといったところだが、通常のトロルやオーガーといった頭の悪い種族に比べればよほどインテリジェンスは高いと言える。


「で、その触手でスケベな事以外何が出来るんですか? どうせ意思があると言っても女を襲う本能だけでしょ!」


 オクタヴィアは辛辣である、まあ先程の失敗だとそう言われても確かに反論できない。


「まあ黙ってみていろ、この触手はそこらの低レベルモンスターよりよほど優秀だ」


 実際この触手をモンスターレベルに換算するとかつてのレベル86の私で50前後、グレーターデーモンも引きちぎる位のレベルだったのだ。

 現在の私のレベルは30前後、そこから考えると触手のレベルは20前後と言えよう。

 これは人間の小国の騎士団長か勇者に匹敵するレベルである。

 まあドラゴンは倒せないが、キマイラ位なら余裕で倒せるレベルと言えよう。


「この触手が12本ある、これらに一本につき一箱ずつ仕事をさせれば数日で終わる仕事だ」

「能書きは良いからさっさとやってください」


 この女、マジで腹立つ……。


「オクタヴィアさん、この書類の山が雪崩になったのは誰のせいでしょうか?」

「ア……アタシが悪いというの?」

「そりゃあそうでしょう、それを全部押し付けて自分は高みの見物ってのはいかがなものかと……」

「な……何をするというの!?」

「いや、特に何も……。まあ私さえ痛みを我慢すれば触手が何かするかもしれませんが」


 実際呪いがどんなものかは痛感した、確かに地獄の激痛だが幸い痛覚鈍化の魔法は使えるので、痛みさえ我慢すればスケベなオシオキは可能だ。


「わわわ分かりましたからその触手をどうにかしてぇー!!」

「わかればいいんです、さっさと書類片付けますよ」

「コイツ……何時かブッコロス!!」


 オクタヴィアが殺意を持った目で私を見ていたが、今は仕事する方が優先なので彼女も渋々自身が起こした書類の雪崩を片付ける事になった。


「書類はここにあるので全部ですね」

「今のところはね、本来少ない仕事をため込んだ前任者に文句言ってください!」


 前任者はもう気が狂って死亡しているので文句の言いようがない。

 それをわかっていながらそういう事を言うオクタヴィアは間違いなく性格が悪い。

 まあそんな事考えるよりもさっさと仕事を終わらせて食事をしたい。


「あのー、オクタヴィアさん」

「何でしょうか? 変態触手魔族さん」


 彼女は私を名前ですら呼ばない、ここまで性格ねじくれてるのも考え物だ。


「仕事落ち着いたら食事をしたいのですが、どこに行けばいいのでしょうか」

「後で教えてあげますからさっさと書類整理をしてください」


 私は触手をフル活用して仕事させた、意思を持った触手はそこらの下級モンスターよりもよほど優秀で仕事をしてくれた。

 一人では何日何週間かかるかわからない仕事量だったが、私の触手は10人分以上の仕事をしてくれた事により思った以上に早く書類を整理する事が出来たのだ。


「ふー、これで書類の整理が終わったな」

「何言ってるんですか、整理が終わったら次は処理ですわ」

「へ??」


「書類を整理したところで減るわけないでしょう、その書類の中身を見ていかに正しく処理をするか、そこまでやってようやく仕事完了ですよ」

「なんじゃそりゃぁぁぁぁあ!!!」


 ここにあるのは必要なくなった処理後の書類ではなかった! 

今から処理しなくてはいけない中身を確認して執政官としてのサインや決済などを確認しなくてはいけないのだ!


「あのー……前任者の気が狂って死んだというのはひょっとしてこの書類を整理しきれなかったからなのか?」

「その通りです、書類を見ていていきなり発狂しました」

「それで……前任者って種族は何でした?」

「レベル60のグレートミノタウロスです、その前の前任者はレベル69のバンパイアロードでした」


 何という事だ! 魔界でもハイレベルモンスターと呼ばれる知的レベルの高いモンスターが投げ出すってどれだけの物なのだ!?

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