159 ザッツ引き籠りライフ
数日書けないと何だか流れが見えにくくなって少しスランプなってました。
どうにかまた毎日書けるようにライフスタイルを戻します。
問い詰められたパラケルススは渋々話し出した。
「引き籠り最高なのだー。ワシはもう外に出たくないのだー」
ダメだコイツ、更に悪化している。
部屋の中には、どの体制でも居心地のいいように低反発のクッションも用意されていた。
「いい加減にしてください。どうやって引き籠ったまま仕事ができるというのですか? 流石に働かざるもの食うべからずですよ。 貴女、書類作る仕事だけが仕事と思っているわけじゃありませんよね?」
「それはわかっているのだー。それをわかった上で引き籠るのだー。ワシはロイヤルニートになるのだー」
マジでコイツに騎竜戦艦を与えたのが間違いだったのかもしれない。
というかコイツ、元々研究室にいた時はどうやって生活をしていたのだ?
「あの、パラケルススさん? ロイヤルニートと言いますが、元々貴女どうやって研究室に引き籠ったまま生活していたのですか?」
「そんなの簡単なのだ、ゴーレムくんたちを使って色々とさせていたのだ」
なるほど、コイツの筋金入りの引き籠り根性はその時から変わっていないのか。
「で、貴女は引き籠ったまま何をしようというのですか?」
「世界をもう一つ作るのだー。ワシが通販していた異世界では世界の中に別の世界があったのだー」
コイツの言っていることはマジでワケがわからないことがある。
世界を作るって、創世神が何人もいるというのだろうか?
そんな不気味な世界は流石に見たくない。
「あの、パラケルススさん? 貴女は世界の創世者にでもなるつもりですか?」
「そういうわけではないのだ。電脳という世界を作ろうというのだ。異世界の言葉でそれをめたばーすというのだー」
また謎の言葉が出てきた。
パラケルススの脳の中は一体どうなっているのか?
マジでパラケルススは異世界と脳がつながっているのかもしれない。
「めた……ばーす? それは一体なんですか?」
「ワシも詳しくは知らないのだ、うぇぶとかねっととかいうものが必要らしいのだ、後はさーばーなるものも必要なのだ」
ウェブ? ネット? 蜘蛛の糸や網が何かの役に立つのだろうか?
さーばーとは 何かの生き物のことか?
「それがあれば本当に仕事になるのですか?」
「そうなのだ、引き籠ったまま離れた場所でも会話ができるのだ」
なんだそんなことか。
それくらいなら伝心の魔法や投影の魔法を使えば可能ではないのだろうか。
「あの、パラケルススさん。伝心の魔法と投影の魔法を組み合わせればそれを実現することは可能ではないのでしょうか?」
「何だってー!? そんなことができるのかー?」
「ええ、ある程度の魔力がある魔族なら可能ですよ」
「うーむ、それだと魔力が無いヤツだと使えないのだー」
確かにそう言えばそうだ、このバーレンヘイムにいるのは全てが魔力を持つ者ではない。
下手すれば魔力が無いヤツもゴロゴロと転がっている。
「困ったものですね」
「困ったのだー」
「例えばですが、魔力を持つ者が先に何かの箱にその魔力を詰め込むことで投影や伝心の魔法を実現できればどうですか?」
「なるほど、それなら何かに魔力を詰め込んでおいてそれを外部的に使えるシステムを作ればどうにかなりそうなのだー」
パラケルススが何やら燃えてきたようだ。
「こうしてはいれないのだ、魔力媒体になる箱を作るのだー。そのための材料探しをするのだー!1」
「あれ? パラケルススさん、食事は?」
「そんなものどうでもいいのだー! 今のワシは研究のためにめっちゃ走り回るのだー」
両極端なパラケルススはいきなり外に飛び出し、何かを探しに行った。
「あのー。さっきからウチおるんやけど、ダーリン……ウチのこと無視して話してへんかった?」
「あ、アリアさん、すみません!!」
そして拗ねたアリアだったが、私の謝罪はカツ山盛りで許してもらえた。