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158 中と外のパラケルスス

リアルに仕事がようやく普段の時間帯に戻るのでどうにか書く時間が確保できました。

数日更新できませんでしたがこれから毎日投稿に戻せそうです。


数日待ってくれた人には申し訳ございませんでした。

 拗ねてしまったパラケルススは騎竜戦艦の自室に数日間引き籠って出てこなかった。

 食事は艦内エレベーターで運ぶ徹底ぶりの引き籠りだ。


 自動大型食器洗い機に巻き込まれて全身を洗われたのをみんなに笑われて傷ついてしまったらしい。


「おーい、チンチクリンーのパラケルススー。風呂出来たでー」

「うるさいのだ、ワシはしばらくここから出ないのだ!」


 騎竜戦艦にはタービン熱を利用した自動湯沸かしシステムが設置されている。

 そのため船が動いている限りはいつでも熱々のお湯に入る事ができるのだ。

 パラケルススは風呂が好きだ、元々ガラス管の中にいたのでそれに似た環境が落ち着くらしい。


 そんなパラケルススが風呂にも入らず引き籠っている。

 これはかなり心に傷がついたのかもしれない。


 と思っていた私達がバカでした。


「完成したのだー! 気分転換に作った2000分の一騎竜戦艦なのだ、きちんと自動で戦斗巨人ゴライアスに変形するのだー」


 パラケルススはどうやら引き籠ってこのガラクタを作っていたらしい。


「あの、パラケルススさん……精神的に傷ついて引き籠っていたのじゃないのですか?」

「は? あの程度でワシの鋼のメンタルが傷つくわけがないのだ」


 心配するだけ無駄でした。

 コイツはそんな奴だった。


 パラケルススは何やら怪しげな実験を繰り返しているようだった。

 その合間の息抜きに作っていたのがこの模型だったらしい。


「それで、何か進展はあったのですか?」

「大いにあったのだ。オートマチックスマートハウス計画を根本から見直すのだ」


 根本からの見直しは私が以前提案したが、今度は本当に大丈夫なのだろうか。


「えー、ウチそんな話聞いてないでー!」

「そりゃ会ってないから話しようがないのだ」


 それはそうだ、会わなくては話ができない。

 魔法で声を伝送する魔法自体はあるが、それを使うにはある程度の魔力と魔法に精通していないと使えない。


 あれ? パラケルススは今ここにいるのではないのか??


「あの、パラケルススさん? 貴女は今ここにいるのではないのですか?」

「いや、そこにいるワシはアバターくんなのだ。ワシは部屋の中から動いていないのだ」


 ワケが分からない。

 部屋にいるのにここにいる。ここにいるパラケルススは間違いなく本人そのものだ。

 ひょっとしてまたホムンクルスを新しく作って増殖したというのか?


「すみません、話が全く見えないのですが。ここにいるパラケルススさんは一体何なのですか?」

「それはゴーレムくん11号ことアバターくんなのだ。ワシが作ったワシそっくりの動きをして声を伝えることのできるゴーレムなのだ」


 つまり、パラケルススは部屋にいたまま外のゴーレムを使って何だかんだと動いているということなのか。


「ふざけたことをしてないで外に出てきてください! 出てこないならドアを強引にこじ開けますよっ!!」

「わー、外がまぶしいのだー! そこを開かないで欲しいのだー」


 私は重い扉を開いた。

 中にいたパラケルススはゴロゴロしたまま謎の機械で外を見ていたようだ。


「レディーの部屋に勝手に入ってくるなんてデリカシーが無いのだー!!」


 あの、貴女……元々マッドサイエンティストのオッサンでしょ……。


「触手よ伸びろ」

「わー、離せー。離すのだー」


 私は触手で絡め取ったパラケルススを部屋から引きずり出し、今までの顛末を話させた。


「パラケルススさん、ここ数日引き籠っていた間のことを教えてもらいましょうか」

「テテンタルルス、顔が怖いのだ。話すからもう少し優しくしてほしいのだ」


 そう言うとパラケルススはここ数日のことを渋々話し出した。


「つまりは、部屋に居ながら外で同じ動きをする方法を研究していたのだ」


 これは、使い方次第ではかなり便利なことになるかもしれない。

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