157 パラケルススがあらわれた!
ここ数日リアルに仕事が忙しくて更新が滞りました。
明日以降はまた毎日投稿に戻せそうです。
ウー・マイの作ってくれたホットサンドは、少し変わった味だったがとても美味しいものだった。
ホットサンドの中身はひき肉を焼いたものとチーズ、それにトマトを潰したソースのシンプルなものだった。
「美味いやん、これ」
「これはいけるのだ、いくつでも食べれるのだー」
プールを楽しんだメンバーたちは全員でホットサンドを食べて満喫していた。
これは売り物になるかもしれない。
プールを外部解放するとしたらその時の店でこれが売られていたら、まあかなりの売れるだろう。
ホットサンドは冷めても食べれるように作っていた。
だがこの溶岩の上のパイプは本来かなりの温度なので、そこに乗せると冷めたホットサンドはアツアツのできたての様になっていた。
そうか、この熱を使えば料理のキッチンの熱にも使える。
「アリアさん。地下のパイプを別の大きな部屋に回すことはできますか?」
「何言うとるねん。ウチに任せたらそんなもん朝飯前や!」
アリアは自信ありげにパイプの接続延長工事ができると言っている。
「確かに、あの地下の熱を使えばキッチンにも使えるのだ」
珍しくパラケルススの頭が冴えている。
私が言い出す前に地下のパイプと聞いて、マグマの熱を利用したキッチン制作を思いついたらしい。
この工事がうまく行けば、安全に熱を使えるキッチンを制作できる。
火を使わなければ、事故の可能性はかなり激減する。
「よーし、今日一日遊んだら、次はキッチンの工事開始やで―!」
「やってやるのだ!」
今日はプール貸し切りのテストをするため、土木班には一日休みを与えている。
それなので工事が明日から再開ということになるのだ。
ホットサンドの昼食を食べた後、女達はまたプールを満喫し、解散したのは夜遅くだった。
翌日、アリアが作業着姿で作業班全員に図面を見せていた。
「ええか、アンタら。この熱パイプをこっちの広い部屋になる方に通すんや。間違えても工事終わるまでバルブ開けるんやないで。死ぬで」
アリアのドスの利いた脅しに、作業班全員が怯えていた。
「「「わかりました!!」」」
作業班全員が声を揃えて返事をした。
一丸になった土木作業班のスタッフ達は、全員が協力してパイプの延長工事を事故ることなく進めることができた。
「アンタら、よう頑張ったな。褒めたるで」
土木作業班スタッフは一人のけが人も出すことなく、無事延長パイプの拡張工事を済ませることができた。
「ここにはワシの発明、ゴシゴシくんを配置したのだ。お湯とブラシで食器をキレイに洗ってくれるので人件費を減らすことができるのだ」
ドヤ顔で説明していたパラケルススが足を滑らせ、お湯の中に落ちてしまった。
幸いこのお湯の温度は事故防止のために40度前後にしてある。
「しまったのだぁーーーーぁ!」
お湯の張られた小さなプールに落下したパラケルススは、そのまま機械の入り口に流されている
「助けてなのだぁー!」
「仕方ありませんね、触手よ伸びろ!!」
だが私の触手がパラケルススを捕える前に、彼女は機械の中に吸い込まれてしまった。
「大丈夫ですかー!!」
だが返事がない、蓋のしまった機械の中では大量のお湯が吐き出されたり、ブラシが上下したりしている。
「もがももおももがぁー!!」
吐き出されるお湯の中からパラケルススの阿鼻叫喚の叫びが聞こえてくる。
そしてしばらくして、機械が沈黙した。
するとパラケルススの声も聞こえなくなった。
機械の蓋が開くと、その中からはキレイに洗われてしまったパラケルススが姿を現した。
パラケルススのあまりのマヌケぶりに、その場にいた全員が笑いをこらえきれずに大爆笑した。
「みんなひどいのだー!! ワシもう帰るのだー!!」
涙目になったパラケルススは、そのままどことなく姿を隠してしまった。