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155 マグマ溜まりまで掘り進める

「あの、パラケルススさん? 溶岩をエネルギに―使うって、どう考えても溶けるんですが、それはどう解決するのですか?」

「は? 溶岩をエネルギーにするわけがないのだ、溶けるのだ。アホでもわかることをなぜ聞いてくるのだ?」


 コイツの言っていることは矛盾しているのか?

 しかしこの態度、いつか〆てやりたい。

 今はアブソリュート様の呪いで下手なことができないのが、パラケルススの幸いだと思え。


「で、では一体溶岩をどう使うのですか?」

「溶岩そのものを使うのではないのだ。溶岩でグルグルと発電させるのだ」

「発電とは?」


 聞きなれない言葉が出てきた。

 パラケルススは一体何がしたいのだろうか?


「発電とは、人造的に雷のエネルギーを作ることなのだ。雷のエネルギーを使えば日のエネルギーや氷のエネルギーよりも確実に便利なシステムが作れるのだ」


 説明が二転三転していてわけわからない。

 なぜ溶岩でグルグルと回転させるのか?

 それこそ機械がドロドロに溶けてしまうのではないのだろうか……。


 だがパラケルススはドヤ顔で説明を続けた。


「つまりはなのだ、溶岩の暑さでお湯を沸かすのだ。その沸いた熱いお湯でグルグルと歯車を回してその回す力で雷のエネルギーを作り出すということなのだ!」


 つまり、溶岩を使うのではなく、溶岩の熱い熱を使ってお湯を沸かしてそのお湯の力で雷のパワーを作り出すということなのか。

 ようやく説明に合点がいった。


「なるほど、システムは理解できました。それをこの新宿舎に使おうというわけですね」

「そうなのだ、そしてその溶岩から少し離れた上の所にパイプを通すことで、お湯を循環させて沸かし終わったお湯はプールや家庭用用水に使えるというわけなのだ」


 まあ腐ってもこのパラケルススが天才だというのは認めよう。

 普通の奴にはこのシステムは中々思いつくものではない。


「面白そうな工事やん、ウチも協力すんでー」


 アリアがこのシステムの話を聞いて乗り気になってきた。


「助かるのだ、では早速地下を掘る工事から始めるのだー」

「任せとき! ウチはデザートアント族やからな、穴を掘るのはお手のもんやで」


 アリアが土木班を引き連れ、工事を開始した。

 アリアは手慣れた作業であっという間に地下に大きなトンネルを作った。


「トンネル作る際に気をつけないかんのは上の土の強度や。穴を大きく広げるんはええけど、上の部分が脆いとあっという間に穴が崩れて上から降ってきてオダブツや」


 アリアの説明を土木班の連中は真剣に聞いていた。

 もうアリアはこの土木班に無くてはならない存在になっている。


「そういうわけでどこまで深く掘ればええんや?」

「うむ、下にマグマだまりのある所まででいいのだ、それより下に掘ると足元が抜けてドボーンと落ちて溶けてしまうのだ」

「ええー、それめっちゃ怖いやん。ウチそんな目にあうん嫌やわー」


 工事には危険がつきものだ。

 だがアリアはそんな中でてきぱきと工事を進め、地下トンネルをマグマ溜まりの上まで掘り当てた。


「これ、めっちゃ暑いやん。下真っ赤っかやで」

「それが溶岩なのだ、気をつけないと落ちて一瞬で骨まで溶けてしまうのだ」


「それは嫌やわー。ウチ、上に網網の橋作るで」

「頼んだのだ、ゴーレムくんが必要なら貸すのだ」

「おおきに、ほな作業再開するでー」


 アリアは一週間ほどでマグマ溜まりの上に落ちないように鉄の網でできた大きな橋を架け、マグマ溜まりの空洞を歩けるようにした。


「ほんで次はどうするねん?」

「次は、お湯を通すパイプを溶岩の上に通すのだ、これができれば温かいプールを楽しめるのだ」

「それめっちゃええやん、ウチ頑張るでー」


 アリアは温かいプールの話を聞いて工事にやる気を出していた。

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