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150 計画の根本的な見直し

 気を失った私が意識を取り戻したのは少し経ってからだった。

 私はベッドの上に寝かされていた。


 そのベッドには何故かアリアとパラケルススが横に寝ていた。


「なななな、何で貴女達がここに寝ているんですか!?」

「あ、パラケルスス目が覚めたのだー」


 寝ぼけたパラケルススが私の名前と自分の名前を間違えて呼んでいる。


「私はテンタクルスです! それよりなぜ貴女達が横に寝ているんですか??」

「いやー、とりあえず気を失ったテンタンクルスを助けてやったはいいものの、なかなか目を覚まさなかったので横に添い寝したのだ」

「ダーリンの横にこのチンチクリンが一人で添い寝しようとしてたんでウチも一緒に寝させてもろたんや」


 やめてくれ、マジでやめてくれ。

 せっかく目が覚めたこの後でアブソリュート様の呪いが確定だ。


「すすっす、すぐ離れてください!!」

「えー、テンタククルスーそれは冷たいのだー」

「ウチだけは別にしてーやー」


 このポンコツ女共は人の話を聞くということを知らないのか?

 そんな事を言っている間に、やはりアブソリュート様の呪いが私を襲った。


「あっぐっがっががいーー!!!」


 今度の呪いは頭を持ち上げて落とすのを何度も脳天からやられているような痛みが頭を中心に襲ってきた。


「あーあ、またこうなったのだー」


 誰のせいだと思っているんだコイツらは。

 私は欠陥スマートハウスのせいで全身ボロボロだというのに頭まで痛みを感じ、この世のものとは思えない痛みを味わっていた。

 ここは地獄のバーレンヘイムだが、ここでもし死んだら私は一体どこに行くのだろうか?


 私の痛みが落ち着いたのは呪いを喰らって少ししてからだった。


「ひ……ひどい目にあいました」

「テンタクルルスー。もしかして怒っているのか? すまなかったのだ」

「ウチも謝るから、勘弁してーな」


 悪意の無い悪意ほどタチの悪い物はない。

 パラケルススもアリアも悪気無しにこの欠陥スマートハウスを完成させてしまったのだ。


「これは計画の根本的な見直しが必要ですね」

「えー、これだけ頑張って作ったのにまたやり直しなのか、そんなの嫌なのだー」

「ウチかてせっかく作ったもんワヤにされたくないねんー」

「ダメです、これは死者が出る前に私が犠牲者になってまだよかったくらいです。こんなものを公費で作らせるわけにはいきません」


 私はこの欠陥スマートハウスのダメっぷりを全身で体感することになった。

 その上でこれは犠牲者を出しかねない欠陥の塊だと判断した。


「それではどうすれば良いのだー。全力マッサージくんとか頑張って作ったのにー」

「全力出さなくていいです、これの半分以下の力にしてください」

「ちぇっ。仕方ないのだ。出力調整とか色々とやり直すのだ」

「まあまあ、ウチも手伝うから。そやないとダーリン怒ったまんまやで」


 アリアとパラケルススは二人で協力してスマートハウスの根本的な作り直しをすることになった。


「とりあえず機械の腕で何だやらせるのちっと見直した方がええかもしれへんな」

「ではどうやったらいいと思うのだ?」

「せやな、腕とかが伸びるんじゃなくてシステム自体が動く様にしたらええんちゃうか?」

「確かに、それだと労力は半分以下で済むのだ」


 少しは反省したのか二人は協力して真面目にスマートハウスの作り直しをしていた。



 数日後、完成したスマートハウスに私は招かれた。


「今度こそ自信のある傑作なのだ」

「ウチも保証するで、今回はウチが先に実験台やったでな」

「本当ですか? 期待してませんけど……」

「とにかく入ってみるのだ」


 私は作り直されたスマートハウスの入り口に立った。

 すると、ドアはギイイーと音を立てながら自動的に開いた。


「ひとりでに開くドアですか」

「フッフッフー。これから先は本当に快適な空間を作ったのだー」


 パラケルススがドヤ顔で胸を張っていた。

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