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146 自動的に動く家?

 なんだかんだでアリアも、このバーレンヘイムの生活に慣れてきたようだ。

 工事主任としてのアリアは優秀で、本人も働くのでスタッフにも好かれているようだ。


「ほな今日も気合入れて働くでー。今日の作業は新築の住居を作る現場や」


 私達が住民課で調べた不法滞在者はかなりの数が確認された。

 そしてその不法滞在者を合法的に、バーレンヘイムの住人にするために新設の宿舎を作る流れになったのだ。


 本来だと数年かかりそうな作業ではあるが、パラケルススの錬金術に馬鹿力のファーフニル等とサイクロプスやゴーレムと言ったパワフルファイターも多数いるおかげで、一週間少しあれば完成しそうな流れだ。



「あ、ダーリン、ウチ頑張っとるで。褒めて褒めてー」

「はいはい、頑張っていて偉いですよ」

「わーい、ダーリンに褒められた―、バリバリ働くでー」


 サイクロプスが鉄鋼を運び、イフリートがそれを溶かす。

 そしてその溶けた金属を熱耐性のファーフニルがくっつけて、パラケルススのゴーレムが加工する。

 アリアと土木班は骨組みの出来た内側の壁を貼ったり床を貼ったりする、これで工事は確実に進んでいた。


「うむ、結構いい感じなのだ。後はオートマチックスマートハウスにするシステムを作れば住みやすい家になるのだ」

「あの。パラケルススさん? そのオートマチックスマートハウスって何でしょうか?」


 パラケルススが普段のドヤ顔で指さしてきた。


「フッフッフー、オートマチックスマートハウスっていうのは。ワシの考えた凄い家なのだー」

「そうなんですね」


 だからその凄い家の何が凄いかを説明してほしいんですが。


「まず、この家は自動的に動く。その為ドアとかが自分で開ける必要が無いのだー」


 自動的に動く家? 車輪でもついていてどこかに移動できるのでしょうか? それにしてはこのサイズはデカすぎるかと。

 それに完成予想図では車輪なんてどこにも見当たらなかったのですが。


「あの、パラケルススさん? 自動的に動く家って……それでどこに移動するのですか?」

「は?? 家が勝手に移動するわけがないのだ。ヤドカリの家じゃあるまいしそんな家あったらキモいのだ」


 パラケルススと私の会話が全くかみ合っていない。

 それでは一体自動的に動くとはどういう意味なのだろうか?


「でも、それでは自動的に動く家というのは、どういうことなのでしょうか??」

「あ、ひょっとしてテンタンタクルスは自動的に動く=勝手に移動する家だと勘違いしたのか、それは傑作なのだプークスクスクス」


 パラケルススの態度にかなり腹が立つが、勘違いしていたのは私なのでこのやるせない怒りは抑えておこう。


「それでは説明するのだ。自動的に動く家とは、住んでいる住民の思う通りに錬金術で動いてくれるという家なのだ」

「そのイメージが想像つかないのですが」

「あーもー、仕方ないのだ。簡単に言えば、見えない奴隷が勝手に何でもやってくれる家だと考えればいいのだ」


 人間族を奴隷にする習慣は一部の魔界に存在するが、バーレンヘイムでは人間を奴隷にする習慣はない。

 だからと見えない精霊族を奴隷にしたら種族館戦争が始まってしまう。


「あ……あの、パラケルススさん。精霊族との戦争は極力回避したいのですが」

「は? 何を言っておるのだ? このシステムに奴隷なぞ使わないのだ」

「でもさっき見えない奴隷が勝手に何でもやってくれると……」

「あー、それを勘違いしたのか。それはすまなかったのだ」


 どうやら話が違うようだ。


「見えない奴隷とはあくまでも説明するのに便利だから言っただけなのだ。正しくは錬金術でのセンサーやシステムが勝手に動いてくれるというわけなのだ」


 ますますパラケルススの説明がワケわからなくなってきた。

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