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14 こっちもダメダメあっちもダメダメ

「うう……気持ち悪い……」


 毒耐性のある私だったがやはりレベル低下で効果は激減しているようだ。

 こんなに気持ち悪いと感じたのは久方ぶりというべきか……。


「気が付かれましたか?」


 養豚場の屠殺される豚を見るような冷たい目でオクタヴィアが私を見ていた。


「気が付いたなら早速溜まっていた仕事をしてもらわないといけませんので」

「もう少し……休ませてもらえませんか? オナカイタイ」

「ダメです、さっさと起きてください」


 このオクタヴィアの態度……完全に私に敵意むき出しである。


「うう……オナカイタイ」


 昨日の軍竜焼きで私は完全にお腹を壊してしまったらしい。

 それもそのはずだ、軍竜はポイズンブレスとファイヤーブレスを武器にしている個体が大半である。

 なので毒袋と火炎袋があり、その二つを処理しなければまともに食えたものではない。

 しかしここのトンチキ料理人はそれすらもわからず、毒袋や火炎袋をそのままにして強火で外側を黒焦げになるまで焼いたものに大量の塩をかけただけのものを出してきたのだ。


 これはワイルドどころかクレイジーである。

 よく死者が出なかったもんだと私は感じた。

 まあ大半をオーガーとトロルが食べたので他の種族は弱肉強食で食えなかったのが不幸中の幸いだったのかもしれない。

 そのトロルやオーガーは私とは別の部屋でゲーゲー言いながら倒れているそうだ。

 学習能力が無いのかもしれない、基礎的な学力と常識をこの連中には身につけないと。


「お腹が痛いのでしたらトイレ行ってきたらいかがですか」

「うう……そうさせてもらいます」

「トイレで寝たり無駄に時間を潰すようならこの後の仕事量倍に増やしますからね」

「そんなことしませんって!」


 このオクタヴィア、血も涙もない鬼か? 魔族か?

 私は下ったお腹をどうにかトイレに行くことで毒を体内から排出する事が出来た。


「ううぅ……酷い目にあった」

「もう大丈夫でしたら執務室行きますよ」

「キミ……容赦ないね」

「お褒めいただき光栄です」


 オクタヴィアが満面の笑みを浮かべていた、その笑顔が可愛いけど怖い。



 執務室に入った私の目に入ったのは……箱一杯の書類の山。山。山。

 山というよりもすでにその数は山脈だった……。


「前任者が気が狂って死ぬ前に残した数年分の書類です」

「はぁ???」

「これらを全部片づけてもらいます」


 何なのこの量、バカなの? 死ぬの??


「あの……オクタヴィアさん?」

「はい、なんでしょうか」

「貴女も手伝ってくれるんですよね……?」


 それを聞いたオクタヴィアの表情が憤怒の形相に急変した!


「だ……れ……が…………コレだけの書類を整理したと思ってんだァ!!! これ以上アタイに丸投げすんじゃねぇえええ!!!」


 そしてまたフルボッココンボである、仕事させるつもりの相手をボコボコにしてどうするつもりなのだ? この暴力ゴリラ女は??


「ゼェ……ぜぇ……」


 そしてまたフルボッコにした方のオクタヴィアがグロッキーになり、私は自己修復で折れた骨や傷ついた肌を修復した。


「あのー。オクタヴィアさん、先程の衝撃で後ろがヤバい事になっているんですが……」

「あーーー!? なんだってぇ?」

「あぎゃぁあああーーー!!」

「なんなのよぉーーーコレー!!?」


 先程のオクタヴィアの大乱闘で衝撃を受けた書類の山脈は……前のめりに倒れ、私達は書類の雪崩に巻き込まれてしまった!!


「あああ貴女のせいですよ!! このグチャグチャになった書類の山、一体どーするんですか!?」

「ええエエーーーーン、アタシ悪くないもん! テンタクルスが悪いんだモーン」


 挙句の果てには幼児退行である、この女間違いなくダメダメの人格破綻者だ。

 このままでは仕事にならない、この書類の山をどうにか片付ける為に私は人手が必要だと感じた、しかし頼れる部下は誰もいない

 仕事は多いが人手が足りない、どうにか人手を増やす為には……私は自身のスキルでどうすればこの仕事量を片付けれるか考えてみた。


「仕方ない、こうなったら奥の手を使うか」

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