127 万策尽きたー!
グラビトン砲の直撃を受けたサンドイーターは頭部を潰された。
「やったのだ!」
「アンタやるやん!」
これでようやく砂漠の脅威がいなくなる。
そう思っていたのだが……。
頭部を失ったサンドイーターは少しの沈黙の後、再び蠢き出した。
「何ですか、アレは……不死身ですか!?」
サンドイーターは失ったはずの頭部を再び再生させ、そのいくつもある目を真っ赤に光らせた。
「あかーん、また出てきよったー」
「一体どうなってるんですか!?」
「ワシにも分からないのだー」
そう言っている間に、バランスを崩した戦闘巨人ゴライアスは大きく転倒し、砂漠に大地震が起きた。
倒れた戦闘巨人ゴライアスはどこかの部分が破損したらしく、司令部から動かせなくなっていた。
「しまったー、これでは動けないのだー!」
「どうしたんですか?」
「さっきの転倒でメイン動力回路のパイプが切れてしまったのだー!」
「それって一体どうなるんですか?」
「戦闘巨人ゴライアスは動かないのだー」
想定通り過ぎてもう何も言えない。
転倒したゴライアスではサンドイーターには何の攻撃も出来ない。
ここにあるのは今はタダのでくの坊のウドの大木である。
いや、動けないただのカカシというべきか。
サンドイーターが迫りくる。
サンドイーターはーその巨体で戦闘巨人ゴライアスを何度も体当たりした。
「このままでは本当に壊れてしまうのだー!!」
「何か手は無いんですか!?」
プロトン砲なら一発なら使えるのだ!
「ではそれを使いましょう!」
「でもダメなのだ、回路が外れてしまっていて複雑な場所にあって……細くて器用で力のある奴でないと修理できないのだ」
そんな都合のいい奴……私の触手だ。
「わかりました、それを直せば使えるんですね」
「テテンタクルス、出来るのか?」
「私の触手を使えば可能です」
私は触手を伸ばし、複雑に食い込んだ場所にある回路のはずれた場所を繋ぎなおした。
すると、動力の切れていた戦闘巨人ゴライアスは再びその唸りを上げ始めた。
「これなら戦えるのだー!!」
「あんなヤツ一発ブチかましたれやー!!」
アリアも興奮している。
戦闘巨人ゴライアスは倒れたまま、その胸の部分の巨大エネルギー炉を開いた。
エネルギー炉には巨大なエネルギーの塊が蓄積されて行っている。
「出力120% 超プロトン砲発射なのだー!!」
ゴライアスが大きく吼えた。
そしてその胸から莫大のエネルギーが撃ち出される。
ドゴオオオオオオオォォォォン!!
「今度こそ、やったのだ!!」
なんという威力だ。
これは下手するとファーフニルのブレスや私の最大レベルの時のインフェルノブレイズ、サウザンドフレアすら上回る破壊力だ
この破壊力なら流石にあのサンドイーターも消し炭になるだろう。
「ギャアアアオオオウ!」
それでもサンドイーターは再生しながらこちらに襲いかかってきた。
「一体何なんですかあの怪物は!??」
「まさか……アレは」
「パラケルスススさん、どうしたんですか?」
パラケルススが青ざめていた。
「アレはひょっとすると、以前ワシが砂漠を活性化させるためにミミズの研究をして、小さなミミズに砂漠で生き抜く生命力の薬で自己再生増殖を持たせたヤツなのかもしれん」
「なんですかそれはぁあああー!!」
どうやらあのサンドイーターを作ってしまったのはこのポンコツ錬金術師の仕業だったようだ。
「また貴女の仕業だったんですかー!!」
「すまないのだ」
「で、あのサンドイーターに弱点はあるんですか?」
「ワシの設計通りなら……無い」
万策尽きた……。
しかし今は毎回ロクな事をしないヘッポコ錬金術師を怒っている場合ではない
どうにかあのサンドイーターを倒さないと私達に未来は無いのだ。
どうにかアイツを倒す方法を考えないと……。