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126 超重量級の対決

 パラケルススの頭の中身は一体どうなっているのだろうか? 全く見当もつかない。


「いけー、戦斗巨人ゴライアス! あんなミミズ程度ボッコボコにしてやるのだー!!」


 信じられるだろうか。

 今私達は超巨大ゴーレムの中にいるのだ。

 それも戦艦が変形してゴーレムになる……。


 こんなことがあり得るのだろうか?

 いうならば城が動き出して巨大ゴーレムになったようなものだ。

 巨人ギガンテスですらこの超巨大ゴーレムの前では小人のようなものだ。


 朝と夜の天球を支える大巨人アトラスが存在するらしいが、それは規格外すぎるので流石に除外するとしても……こんなものあり得ないだろう!


「ウチわくわくしてきたわー! やれー、戦闘巨人ゴライアスー。ウチの巣をぶっ壊したあのクソミミズを引きちぎったれー!」


 アリアはノリノリである。

 彼女はお祭り騒ぎみたいなものが好きなのだろう。

 戦いをゴラクにしていた彼女には、この超巨大対決はとても楽しそうに見える。


 だが私は頭が痛い。

 こんなあり得ない常識外のことが存在するのがまだ整理がついていないのだ。


「アギャアアアアアアアォ」


 サンドイーターが大きく吼えた。

 そしてその巨体をゴライアスにぶつけてきた。

 艦橋に大きな衝撃が響く、だがダメージは無いようだ。


「うわー、ごっつ響いたわー。まるで地震やー」

「戦斗巨人ゴライアスはこの程度でやられるわけがないのだー! いけー、ゴライアスパーンチ!」


 ゴライアスのパンチがサンドイーターの身体に当たった。

 コレだけの図体のデカさなので、よほどのことが無い限りは攻撃が避けられるわけがない。

 これは間違いなくどっちかがくたばるまでの肉弾戦になるだろう。

 ゴライアスのパンチは何度となくサンドイーターの巨体に叩き込まれた。


「ギャアアアアー」


 サンドイーターの口から溶解液が吐き出された。

 溶解液の当たった場所から少しゴライアスの装甲が溶けている。


「その区画にいるデザートアントはすぐに中央部に退避してください!」

「「「アリアリィッ!!」」」


 デザートアントは装甲が溶けて振り落とされる前に全員が中央部の広い場所に移動した。

 ゴライアスの中央部は騎竜戦艦の中心部なので、二つに分かれて狭くなった場所よりはよほど広い。


「よくもやってくれたなー! 倍返しなのだー!!」


 ゴライアスのパンチがサンドイーターに食い込んだ。


「今だ、必殺ファランクスミサイルなのだー!!」


 ゴライアスの腕の部分から大量の筒状の太い槍が撃ち出された。

 サンドイーターに食い込んだ槍は次々と爆発を起こし、サンドイーターに強烈な打撃を与えている。


「ガギャアァァァァアス!」


 サンドイーターがおぞましい叫びを響かせた。

 その衝撃は砂の津波になってゴライアスに押し寄せる。


「みんな、衝撃に備えるのだ!」


 その直後、砂津波はゴライアスの下半身を思いっきり押し流した。


「ば、バランスが崩れるのだー!!!」

「パラケルススさん、どうなっているんですか?」

「このままでは転倒してしまうのだーっ!!」

「転倒すると、どうなるんですか?」

「戦斗巨人ゴライアスは転倒すると、自力では立ち上がれないのだー!!」


 何だそれは、欠陥兵器もいいところではないか。


「ど、どうにかならないんですか?」

「残念ながらどうにもならないのだ、仕方ないので最終兵器をアイツにブチかましてから転倒するのだ」


 そう言うとパラケルススは何か髑髏マークのついたボタンを押した。


「ポチッとな……なのだ!」


 戦闘巨人ゴライアスの下腹部がスライド状になり、左右に真っ二つに開いた。


「轟然一発……グラビトン砲なのだー!!」

「グラァービトン……!」


 誰の声かわからないが、謎の声が聞こえた後、ゴライアスの下腹部から黒いエネルギーの塊が撃ち出された。

 エネルギーの塊はサンドイーターの頭部に当たり、その頭を小さく収縮させ、大爆発を起こした。

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