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124 こいつを戦闘指揮所から叩き出せ!

 騎竜戦艦の戦闘指揮所ではまだ作戦会議が続いていた。


「おいチンチクリン、ええか。アンタの言ってるのは、もしグラグラボイスを倒せても、他のデザートアントとウチが大戦争する事になってしまうんや」

「誰がチンチクリンなのだ! でもこのままサンドイーターを野放しにすればもっと被害がヒドくなるのだ」


 どちらの言い分も間違ってはいない。

 このままサンドイーターを野放しにすればいずれはこの砂漠地域の魔族やモンスターが全滅してしまうかもしれない。


 そして、実はこの地下には豊富な地下資源が眠っているかもしれないし、あるいは砂漠の古代遺跡があるかもしれないのだ

 サンドイーターがいる限りはこの場所を自由に採掘したり、体勢を立て直すのは難しい。


 そういう意味ではパラケルススの言っているのは間違ってはいない。


 一方のアリアだが、彼女の言っている事も事実だ。

 もし仮に地中に潜る錬金兵器の誤爆で他のデザートアントの巣を破壊したら、その時に待っているのは血で血を洗う報復戦争だ。


 いくらなんでもそんな事態は避けたい。

 こう考えると、どちらを優先するか。


 他のデザートアントの衝突回避か、サンドイーター撃退か。


 私はどうにかサンドイーターを被害無く倒す方法を考える事にした。


「今は時間があまりありません、長々と作戦会議をやっている間にもサンドイーターは再び目覚めて暴れ出すかもしれないのです」

「そりゃそうやな」

「うーむ、そう言われるとそうなのだ」


 そんな話し合いをしていた時、地面が大きく揺れた。


「なんや! 地震や」

「マズいのだ、サンドイーターがまた目を覚ましたのだ!」


 この揺れ具合は、サンドイーターが目を覚まして動き出した証拠だろう。

 遠くの方に土煙と砂の波が見える。


 サンドイーターは攻撃をした私達を怒り狂って食い荒らそうというつもりなのだ。


「うわー、目が真っ赤になっとる。アレは激おこ通り越して怒髪天やー」

「大変なのだ、どうにかするのだー!!」

「ご主人様……我に任せてもらえば、あんなミミズの一匹や二匹、一瞬で消し炭にして差し上げますわ」


 ファーフニルさん、アナタの力は強すぎて砂漠すら壊滅するのでやめてください。


 サンドイーターは口から溶解液を吐いてきた。

 その液は散弾のようになり、騎竜戦艦にぶつかった。


「うわあーー!!」


 幸い、騎竜戦艦のダメージは軽微だった、しかし騎竜戦艦を傷つけられたパラケルススがキレた。


「そんなに……ワシらの力が見たいのか……」


 パラケルススの目が血走っている。


「攻撃してくる……お前が……悪いんだぞ……」


 パラケルススは何か赤い危険なボタンに手を伸ばした


「やって……やる……殺られる……前に!」

「おいチンチクリン、アンタ一人で戦争はじめる気かいな!?」


 そして騎竜戦艦からアスロック砲が発射された。

 砲弾は地中に潜り、それはサンドイーター目掛けて突き進んだ。


 正気を失っているパラケルススはニヤリと笑いながら私を見た。


「殺らなければ…殺られるのだ…テンタクルス…!」


 初めてまともに私の名前を呼んだタイミングがこれですか。

 しかしこのままコイツを野放しにすると作戦どころではなくなる。


「ファーフニル、エリザベータ、アスロック砲を壊してくれ!」

「仕方ありませんねェ」

「了解です、ご主人様!!」


 発射されたアスロック砲はエリザベータの魔力で凍結され、その後ファーフニルの熱線で破壊された。

 そのため、他のデザートアントの巣への誤爆は避けられたが、サンドイーターは驚かされた事でさらに狂暴化してしまった。


 流石にこのことに頭に来た私は大声で叫んだ。


「コイツを戦闘指揮所から叩き出せ!!」


 そしてパラケルススは部屋の外に追い出され、彼女のすわっていた場所にはエリザベータの私物のヘルベアーのぬいぐるみが置かれた。

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