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123 対地中潜行錬金兵器アスロック砲

 騎竜戦艦作戦指令室。

 正式名称は戦闘指揮所という。


 私達はここに集まって対サンドイーターの作戦を立てる事にした。

 参加者は、私、パラケルスス、アリア、それにエリザベータにファーフニルだ。


 エリザベータとファーフニルは、特に仕事が無くてヒマそうだったのでここで寝てたらしい。


 っていつの間にいたんですか、貴女達は。


 サンドイーターは数十メートルにもなる巨大なミミズのバケモノだ。

 砂地に生息し、目につく者は全てエサとみなして食べる悪食。


 デザートアントやデザートベア等や、大型の砂漠の肉食サボテンですらエサにする。


 特に好物はデザートアントらしい。

 デザートアントは巣を作り、多産なので一気にたくさん食べる事が出来るから襲われるのだそうだ。


「ウチアイツには絶対一泡吹かせてやらんと気が済まんねん!」


 アリアが憤慨している。

 それはそうだろう。

 アリアは巣を潰された上、食べられそうになっていたのだ。


 しかしどうやってあのバケモノを倒すか、それが課題なのだ。


「ワシあれを倒す方法考えたのだ」

「パラケルススさん、それは本当ですか?」

「ああ、ワシに任せるのだ。このゴーレムくん十号こと騎竜戦艦は全身ハリネズミのような武装の塊なのだ」


 私に何度も名前を言うのを止められたので、パラケルススは騎竜戦艦の名前をゴーレムくん十号で呼ぶようになっていた。


「それで、ではどういう武器を使って倒すのですか?」

「フッフッフー、この騎竜戦艦の武器はワシがすべて把握済みなのだー!」


 パラケルススがドヤ顔で無い胸胸を張っていた。


「なんや、ずいぶんと貧相な胸やなー。哀れになってくるで」

「そこのアリ、(うるさ)いのだ!」

「アリやない、アリアや」


 その発音で言われると、ワケがわからないです。


「とにかく一旦着陸しましょう」


 私達はずっと空を飛ぶわけにもいかないので一度騎竜戦艦を砂漠に着陸させた。

 幸いデザートイーターは遠くにいるようで、まだ気を失ったままこちらには気づいていない。


「テンタンタルスー。ワシに武器を撃たせるのだー!!」

「ダメです、今下手にサンドイーターを刺激すると、他のデザートアント族まで被害を受けます」


 デザートアントの種族は女王アリアの一族だけではない。この砂漠には他にもデザートアントの一族が住んでいる。


 私達が下手にサンドイーターを刺激すると、他のデザートアントにまで被害が及びかねない。

 しかしパラケルススは自ら作った騎竜戦艦の武器を撃ちたくてウズウズしているのだ。


「なぜダメなのだー? やられる前にやっちまえなのだー!」


 ダメだ、このままパラケルススにここの主導権を握らせておくと、間違いなく武器を撃ちかねない。


「ダメったらダメです!」

「ワシの作ったアスロック砲の威力を見せたかったのに」

「何ですか、そのアスロック砲ってのは??」

「ワシが古代文明の古文書から解析して作った錬金兵器なのだ」


 それを聞いて私は猛烈に嫌な予感がした。


「このアスロック砲は砂漠だろうが海だろうが潜って地下にいる敵に爆発する凄い奴なのだ!」

「そ……それは凄いですね」

「コレを使えばサンドイーターもあっという間にドカーンなのだ」

「それごっついな……でもなぁ。もし、そこに他のデザートアントの巣が有ったらどうなるねん?」


 パラケルススは平然と話し出した。


「そりゃあ当然アリの巣ごとグッチャグチャなのだ」

「アンタは他のデザートアントと戦争をするつもりなんかいな!?」

「そりゃあやられる前にやってやるのは当然なのだ! その際の尊い犠牲は仕方ないのだ」


 マッド錬金術師パラケルススには、常識やモラルは存在しないらしい。

 ダメだコイツ……早く何とかしないと。


 パラケルススは騎竜戦艦の武装チェックを楽しそうに行っていた。

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