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114  地図を作ろう

 昼食を終わらせた私は、住民課に戻り仕事の続きを再開した。


 まずはこのバーレンヘイムの全体地図を把握しない事には住民データを作るどころではない。


 バーレンヘイムは不毛の地だが、何気に土地は広い。

 その上火山に極寒に毒の沼地に大森林に砂漠と不毛のオンパレードだ。

 しかし反対に言えば、それだけ局地特化型の魔族や魔獣がいるということだ。


 これは武力と考えるならば、どんな局地特化戦闘にも対応できる最強軍団を作る事が可能だともいえる。


 火の属性の者にマグマの中を移動させていきなり敵地に現れれば、予測もされずにすぐに殲滅可能。


 氷の属性の者に難攻不落の要塞を作らせれば、普通の武器なら凍り付いてしまい攻撃すらさせずに相手を殲滅可能。


 毒属性の者にその場所を広げさせる事が出来れば、相手の食料を奪いつつ確実に弱体化した相手を殲滅可能。


 このように不毛の地に住むというのはそれだけ攻撃特化のメリットを持っているともいえるのだ。

 私が住民課の職員に全ての住所不定を調べさせたのはそれらの特化型の魔族を確実に戦力にするためだ。


「さて、私は地図を作りますか」


 私は何も書かれていない羊皮紙を手に、騎竜戦艦に向かう事にした。


「テテンタクルス―。でかけるのかー? ワシもつれていくのだー」

「そうですね、では一緒に出掛けますか」

「わーいなのだー!」

「ご主人様、我もお供しますわ」


 どさくさまぎれにファーフニルもくっついてきた。


 騎竜戦艦は高く舞い上がり、バーレンヘイムの北東の果てを目指した。


「一体どこに行くのだー?」

「バーレンヘイムの果てですよ。地図を作るために把握する必要があるのです」

「そうなのかー、わかったのだー」

「パラケルススさん、この騎竜戦艦はどれくらいの高さまで高く昇れますか?」

「うーむ、実験した事は無いが……ゴーレムくん十号に不可能は無いのだー」


 回答になっていない……。

 まあ問題は無さそうなので、私は騎竜戦艦を上空高く空の天井近くにまで上昇させた。


「うわー、凄いのだー。まるで魔族がゴミのようなのだー」


 いや、普通こんな所からそんな小さな物見えませんから。

 一体どれだけの身体能力を持ってるんだ? このポンコツホムンクルスは。


上空高く舞い上がった騎竜戦艦から私はバーレンヘイムの全体像を把握できた。


「触手よ、伸びろ」


 そして触手たちに色々な方向の地図を同時に描かせる事でこの地域の全体図を作る事が出来た。


「さて、それではそろそろ少し高度を落としますよ」

「えー、もう少しこの高さで楽しみたいのだー」


 さっきからファーフニルが大人しい。

 何故だろうと思い後ろを振り返ると、ファーフニルは青ざめた顔で下を見ていた。


「高いとこ怖い、高いとこ怖い、高いとこ怖い……」

「え?? 翼があって飛べるのになぜ??」

「我、以前ご主人様のオシオキで天井に吊り下げられて下りれなかったじゃないですかー。あの時メチャクチャ怖かったんですよー!!」


 どうやら以前のオシオキでファーフニルは高所恐怖症になってしまったらしい。

 まだ自分で飛べるレベルの高さだと問題は無いようだが、どう考えても飛ばない高さになると怖くて動けなくなるようだ。


「仕方ありませんね、一旦高度を落としましょう」

「ちぇっ、仕方ないのだ」


 騎竜戦艦は一旦高度を落とし遠くが見える程度の高度を飛行した。


「ここでもう一度全体図よりも大きめに地図を描いておきますか」


 私は触手を使い、先程の地図を拡大したサイズで北西の不毛地帯を地図にして描いた。


「この感じで後10日くらいかければ全体の地図は作れそうですね」

「面白そうなのでワシも協力するのだー」


 そういうとパラケルススは戦艦の中に入り、中からゴーレムを連れてきた。


「このゴーレムくんに投影能力をくっつけるのだー」

「投影能力? 何ですかそれ」

「フッフッフー、それは見たままの物を一枚の銀色の板に映し出す能力なのだー!」


 あの……私の頑張って描いた地図は無駄だったのでしょうか??

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