11 オクタヴィア 超激おこ
??? 私は訳が分からなかった。
「ああああ、貴女はいきなり何をするんですか!?」
「テメェ……テンタクルス、アタイに何をしたか忘れたのかァ!?」
オクタヴィアは激怒していた、その姿は蛮族の女王かまるで女将軍である。
「わわわ私には何のことだか……」
「オラァ! テメェ自分の胸に聞いてみろぉ!!」
そう言われても……私は過去の嫁達の事を色々と思い出してみた。
しかし、私の嫁にはオクタヴィアなどという女性はいない事だけ思い出した。
「あのー……思い出してみたんですが、やはり貴女みたいな女性は私の嫁リストの中にはおられなかったの……」
ドゴバキグシャ! ……ゲシ!
オクタヴィアは私が最後まで話す前に素晴らしい連続コンボ攻撃を繰り広げてきた!
「何をするんですか? 暴力反対!!」
「うるせー!! 問答無用!!」
その後もオクタヴィアは私を一方的にフルボッコにしてきた。
肘鉄膝蹴りパンチにビンタ、首投げ飛び蹴り四の字固めである。
しかし、組技を受けているときにふっくらした胸元が柔らかかったのだけは救いと言えようか。
「あのー……そろそろ気が済みましたか?」
「はぁ……ハア……ゼェ……ゼェ」
フルボッコにしていたはずのオクタヴィアはグロッキーになっていた。
一方、レベルが落ちたとはいえ再生能力のある私はケロッとしていた。
どうやらポリコールや高次元の者に奪われたのはレベルだけであり、奴らはスキルとか耐性といったレベル以外の目先のモノ以外には全く気が付いていなかったのである。
という事は、レベルこそ下がったものの、私の魔眼即死耐性や属性耐性等は元のままだと考えていいのだろう。
魔力で負ける相手には耐性の効果は半減するかもしれないがまだあるだけマシではある。
「ううう……アーン、アタシもうお嫁にいけないー!」
怒っていたと思ったオクタヴィアだったが今度はいきなり泣き出した。
何だコイツは!? 人格破綻者なのか???
「テンタクルス……アンタ、昔アタシに何をしたのかマジで覚えてないのか?」
「すまんが皆目見当つかないのだが……?」
そう言った途端、私は部屋にあった調度品の巨大壺で頭をカチ割られた!
「だだだから話し合いましょうって!」
「まだ思い出さないのかよ!? あんなひどい事言ったくせに!!」
「へっ?」
オクタヴィアが今度は顔を真っ赤にしていた。これは恥ずかしいのか怒っているのか。
「アタシの事、不感症の石女といった事……絶対に許さないからなァ!!」
「アーーーーーー! お前は!?」
思い出した! 彼女は唯一私の触手テクニックに沈まなかった元人間の女将軍だ!!
「オクタヴィア……そんな名前だったか! 不感症の女将軍としか覚えてなかった」
そう言った途端またフルボッココンボを食らったのは言うまでもない。
「アンタに負けたアタシは死を覚悟した。それは誇り高き死だったからだ! しかしアンタはアタシにそんな死よりも辛い生き恥を与えたんだよ!!」
「そういえばそんなこともあったような……」
確かにそう言われれば見覚えがある。彼女は人間の国で聖女だの女将軍だの姫騎士だのと言われていた存在だった。
たがたった一人の私の前に彼女の祖国は消滅したのだ。
そして捕まった彼女を私は尋問し、普段のように触手攻めをした……。
しかし彼女は生まれつきの不感症の不妊症だったのだ!!
唯一私の触手テクニックの前に沈まなかった彼女は魔族化されてもその後数日にわたる恥ずかしい拷問にも全く動じなかった。
それで煮ても焼いても食えないとあきらめた私はオクタヴィアを流刑の地バーレンヘイムに島流しにしたのだった。
「しかし、流刑の地バーレンヘイムにアンタ自身が流されてくるとはね、自業自得、因果応報って言ったもんだね!」
「ぐ……ぐぅ」
ぐうの音も出ないとは言ったものである。
そして、今後彼女が私の副官になるのかと考えると私は胃が痛くなってきた。