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100/169

100 酒の魔神の発酵技術

今回で100話まで書けました。

 私達は一週間後、魔神バッカスの住処に再び訪れた。

 魔神バッカス上機嫌で私達を迎えてくれた。


「よう、おどれらよう来たのう」

「こんにちは、バッカスさん」


 私達は今回、エリザベータ、パラケルスス、トモエ、オクタヴィア、それに私でここに来た。

 ファーフニルは今回、巨大小麦と戦ってもらっている。


 どうやらこのショーユとかを増産するためには小麦も必要なようだ。


 魔神バッカスは、奥の部屋から瓶を持ってきた。

 これがコメで作った酒じゃい。

 どこか不思議な味がするがこれがなかなか美味い。ブドウとは違った酒ができたっちゅーわけじゃい


 魔神バッカスの持ってきた瓶には白い濁った酒が入っていた。


「まあ、ぐいーっと一杯呑んでみーや」


 私達はすすめられた酒を飲んでみた。パラケルススは体がお子様なので今回はおあずけだ

「みんなだけズルいのだー、ワシも飲みたいのだー!!」


 パラケルススがふくれっ面になっていた。


「嬢ちゃん、これ吞んでみるか?」


 バッカスがパラケルススに白い酒を渡した。

 見た目は同じようだが、匂いが違う。


「これは何なのだ?」

「これはのう、コメで酒造った時に出来た絞りカスを水に入れたもんじゃい。それにヘルホーネットの蜜を入れたらこうなったわい」


 パラケルススが白い酒を飲んだ。


「これは美味いのだ! しかも頭もクラクラしないのだー」

「おう、気に入ったならこの絞りカスもってくか?」

「ありがとうなのだ! ゴーレムくんに持ってもらうのだ」


 パラケルススが嬉しそうだった。

 こうやって笑っている顔を見ると、どう見ても美少女にしか見えない。

 しかし中身はイカれた錬金術師の爺さんだ。


 どうもそのギャップを考えると、苦笑いしか出なくなってくる。


「てんたくるす様、これは……極上のショーユです! まさかヤマトクニ以外でもショーユが作れるとは思いませんでした!!」


 トモエがショーユを一気飲みしようとしていた。

 だからそれは飲み物じゃないって以前言われれたでしょーに。


「おう、それはダイズって豆から造ったもんじゃい。酒とはちと違ったが、まあ面白いもんが出来たちゅーわけじゃい」

「これはいったいどうやって作ったんですか?」


 魔神バッカスが酒を飲んで笑いながら説明をした。


「これはのう、醸造ちゅーんじゃい。物にはほっとくとカビが生える。このカビにもいい奴とわるい奴がおってのう。わるい奴は食いもんや飲み物を腐らせるが、いい奴は発酵といって食べもんや飲みもんを面白いもんに変えてくれるっちゅーわけじゃい」

「なるほど、食べ物の腐り方にも良い悪いがあるんですね」

「そうじゃい、そしてオイは酒の神じゃからのう。その腐り方を自由にできるっちゅーわけじゃ」


 これは魔神バッカスにきちんと金を払えば酒やショーユ、ミソとかを作ってもらえるという事かもしれない。


「バッカスさん、よくわかりました。もしよければ今後定期的に酒やショーユとかを作ってもらえますか? お金はきちんと支払いますので」

「そんなもんいらへんわい!」

「へっ?」


 バッカスが金を要らないと言っている、これはいったい……。


「金よりも酒の元になるもん寄こせ。それでええわい」

「本当に……それで良いんですか?」

「おう、オイは酒の神じゃからのう。酒造るものがあればそれで満足じゃい」


 これはすぐにでも書類を用意した方が良いだろう。


「バッカスさん、承知致しました。バーレンヘイムの新規産業として私共は魔神バッカス氏に酒造りとその他の物を作る事を仕事として依頼させていただきます」


 オクタヴィアが仕事モードだ。

 もうすでにこうなる事を見通して書類も持ってきていたらしい。

 手元に書類があるので手続きは手早く終了した。


 そして、魔神バッカスはバーレンヘイムの後の主力産業になる酒造りを請け負う事になった。

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