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望迷編10


 

 

「はい、あ〜ん」

「あ、あーん」

ここの料理はどれも美味しい、今食べているのはハンバーグと海鮮サラダだけど

「本当に美味しい……どうやったらこんなに美味しくできるの?」

「作ってるのは私ではありませんので……でも料理した人も嬉しく思ってると思います」

多分これまで食べた料理の中で、ココで食べ照料理が1番美味しい。

「これからも美味しい物を出しますので……もうあんな事しにゃいでくだちゃいね〜」

「あーん……そろそろ外に出たいんだけど……ダメ?」

「また……あんな目にあいたいんでちゅか?」

「冗談よ……冗談だから……」

少し前、私が逃げ出そうとした時

 


「ねぇ、トイレに行きたいんだけど」

「では自由にお使い下さい、今少しだけ緩めますから」

ベッドと体を繋ぐワイヤーを緩める為に近寄ってくる

連れて来られて2.3日で作戦が上手く行くとは思ってもみなかったわ

「首元も失礼します」

首に繋るワイヤーを緩め終わる

ココだ!

割り箸を尖らせた簡易姫川ちゃんズ足軽スピアー

これを喉に突きつけて……いや刺すか?

コイツは兄さんを殺した男のメイド……殺しても文句は言われない。


落ち着きなさい天草姫川!

この人は協力者かもしれないけど、兄さんを殺す事に関与していない

殺すのは……違うわ

「動かないで」

簡易槍をメイドの喉元に突きつける

右手で首を抑え、そのまま喉元を狙う形だ

「殺したくは無いの、貴女は食事をくれたし傷の手当もしてくれた……あの男のメイドだけど恩は感じてるの」

「……何を」

「ワイヤーを外して、そうすれば何もしないから」

 

メイドは体と首に繋るワイヤーを解いてくれた

「ありがとう……もう一つお願いなんだけどここから動かないで貰えるかしら?」

「トイレはすぐそこですが?」

嘘でしょ!?私が全体重をかけて抑え込んでるのに……立ち上がれるなんて……ッ!

「アンタが悪いんだから!恨まないでねッ!」

簡易槍を喉に突き刺した


「ハァ……暴れられると」

私の武器はバラバラになり、傷の一つもつけられなかった。

「しつけ、しないといけなくなりました」

「ヒッ……!」

右腕の感覚が無い……

「腕!私の腕がッ!」

「あるじゃないですか……はーい、騒いだからもう一回でちゅね〜」

 

左手の感覚も無くなった

何をしたのか、何をされたのかさっぱり分からなかったし、見えなかった。

「な、何で!?」

腕はあるのに……動かない!普段できていた

当たり前が全く出来なくなっている

「まだ騒ぎまちゅか〜?」

「次無断で声を上げたら……首から下の感覚も……ね?いい子だから、私の言う事聞けまちゅよね?」

 

私は黙るしか無かった

無表情で、赤ちゃん言葉を使って、世話をしてくれるメイドには勝てないとわかってしまった。

「ごめんなさい、言えるかな?」

「ご、ごごめんなさい」

メイドは頭を撫でてくる

「はい、私は嬉しいでちゅよ〜いい子に出来て嬉しいでちゅ〜」

こんなふざけたメイドなのに……肉体的には私の方が大きいのに……武道の心得も私はあるのに

多分、いや絶対に私より強いし、下手したら……


「腕は……治るのよね?ねぇ!?」

メイドは頭を撫でるだけで何も答えない。

「聞こえてるんでしょ!?それぐらい教えてよ!」

「悪い子に……なっちゃいまちたか?」

「……ごめんなさい」

今日はダメ……明日にでも聞こう

その後も私からの質問は受け付けないと言ったような感じで、頭を撫でるだけだった。


 

……なんて事があってから大人しくしている

左腕の感覚は戻って来たけど、利き手である右腕は未だに動く気配すら感じない。

「懐かしいです」

メイドから雑談が出てくるなんて珍しい

「昔、ご主人にしつけをした時も、こんな感じでした」

少し、笑った?

「こんな感じって……どんな」

「最初は反省するんです、本当に心から」

「ですけど時間が経つとすぐ反抗的な考えが心から浮かんで来て」

「ここから何回も何回もしつけを行うんだなって思うと……懐かしくて……すいません、こんな話をするつもりは無かったのですが……」

 

「反抗的な考えを持って、今だけやり過ごそうとする、その姿があまりにもご主人そっくりで……」

どうやら、心も読めるようで、私は覚悟した

流に身を任せて、ここを生き抜くしか無いって。

「もう絶対反抗しない、しません」

「言葉なんて物を信用する程、バカではありませんよ」

笑った、今確実に笑った。

「次はどんなしつけがいきでちゅか?」

楽しそうに私への罰を考えるメイドが私は怖くて怖くて仕方なかった。

 

「じゃあ……これにしましょうね〜」

何処に隠し持っていたのか、私の刀を取り出して来た

「この刀はかなり特殊な物だと言う事はご存知でしょうが、特殊なだけなんです」

鞘から抜き、刀身を自分の腕に当てる

「これで襲われたら私も殺されてしまいます……殺したいですか?」

「そんな事……考えてないわ」

 

「ダメですね」

刀身を……へし折った!?

「わ、わ、わ私の刀が!!」

「反抗的な考えを持つからですよ?」

「どうしたら良かったの!?」

私の刀……兄さんとの絆が……私の全てが……!

「心から従順になれば、私も優しくしますから、これからもお勉強頑張りましょうね」

子供扱いだったり赤ちゃん言葉だったり敬語だったり……こんなのを使えさせてるアイツの趣味が見えてきたわ


何も考えちゃダメ、従うんだ

心を殺せ、従順になれ

今だけよ、い今だけは耐えるのよ!


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