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視界編6

最後にこの親子の近所の住人から話を聞くため、姫川が聞き取りをする事となった。


今は別室で話をしている。

念の為二人分の薬を用意しておく

「先輩……残念なお知らせがあります。」


「まて、この手袋がどう見える?」

感染したかもしれない、確認をする


「大丈夫です、綺麗な白に見えます。」

俺は薬をしまって話を聞くことにした。

すまんかった確認や、と謝り話を促す。


「それよりも、多分、災害がおこってます。」

なんだ?あの姫川がこんなに真剣な表情

「あの母親は教師をしています。学校で視界について話をした可能性が高いです。」


な…



俺は言葉を失った。

これは……確かに災害だ。

あの母親から学校の生徒に

生徒からその親に、親から職場の同僚、そしてその家族に…

頭が真っ白になりそうで、意識が持っていかれそうな酷い、酷すぎる頭痛がした。



しかし疑問がある

「しかし妙ちゃう?俺や姫川が感染した時にはあんなにパニックになってたのに……」

あれだけパニックになればちょっとした事件になるだろう、しかもこれだけの規模となると……

「個人差があるんですかね……」

この病気の謎は深そうだ。


「姫川、車に戻るぞ」

ここにいては感染する可能性が高い、誰が感染しているのかわからない。

公民館最後の一人に投薬し、車に戻ってきた。


「クーパーさん、姫川です」

無線で連絡する。


「こんにちは姫川さん」

ああ、声も美しい。


「実はとんでもない事が起こってます……」

そこからあったことを報告する。

仮説の事も含めて。


感染拡大、この言葉でクーパーさんの声色が変わった。

「今回の不可思議を封じ込める事は難しそうね」

素直な気持ちに素直に答える


「どうしたらいいのかわかりません…」

姫川もクーパーさんも暗い。


「だからと言って!このまま野放しには出来ないの!私達の世界を変える訳にはいかない!」

きっと真剣、だけど怒りや憎悪の気持ちも混じったような表情で言ってるんだろう。

「それは俺達もわかっています。ですが……どうしたら……」

今この瞬間も感染は広がってるだろう。

これから感染者を一人一人対処するのは不可能に近い


「一番怖いのは感染者が多くなって、"常識じゃない事を言ってる、狂ってる!"って報告が上がらなくなる事よ。」

仮説では感染者は視界がBに変わる、非感染者の視界Aとは違う。

だけどこの感染者が多過ぎて、"Bこそが正しく、Aは狂ってる"なんて言われた日には終わりだ。


そんな終わりを迎える訳にはいかない。

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