視界編5
今わかっている事は
"カメラとして正しい使い方をした55から出来る写真を見る事で視界変化が起こる。"と言うこと。
そして"変わってしまった視界の内容について人に五分以上話すと感染してしまう"
この内容について話す事の定義は定まっていない。
「にしても先輩、不可思議の影響とは言え私を化け物扱いとかひどくないですか!?」
桑名についた時、そういえばと一言発して姫川が騒ぎ始める。
「こんな可愛い姫川ちゃんが化け物に見えるなんて、どんな効果があったんですかね。」
俺も知りたいわ
「まぁ…姫川お前見た目だけはレベル高いもんな」
確かに気になる。俺がそんなに取り乱すほどの何かがあったんだろうし……
「へ?い、今何て?」
もしあのまま薬がなかったとしたら……
いや、そう考えると桑名の感染者は……その地獄のような視界の中で今も生きているのか?
「話きけぇ!!」
後ろからバッグが飛んできた。
「痛い!めちゃんこ痛い!」
頭はダメだろ頭は。
「なぁ姫川ちゃん、元気だそ?」
姫川は顔を白黒させて騒いだり静かになったりしている。
いきなり不機嫌に……女はわからん。
不機嫌な姫川と気まずい空気を味わいながら目的地に着いた。
公民館。
ここに視界変化にあった民間人が数人いると報告を受けた。
「姫川、忘れるなよ」
クーパーさんに言われた事を思い出しながら
自分にも言い聞かせる用に繰り返す。
「感染者の話を聞くな、いくら可哀想でも俺達まで話から感染してやる必要はないで。」
姫川は優しい所がある、その優しさは弱味になる。
可哀想でも感染者本人と会話する事はできない。
「心配してくれてるんですか?」
ニヤニヤしながら答える姫川
「私だって自分の身ぐらい守ります。同情して一緒になってあげても意味ないって知ってますから。」
満面の笑みで答えた。
公民館には子供が二人、その母親が一人、拘束されていた。
この家族を知っている人曰わく
ある日から子供が"常識ではない事"を話し始めた。
その母親もある日から子供同じ事を言い始めた。
との事
一応公民館にいた他の人にも対して記憶消去剤を投与する。
「先輩、ちょっとおかしくないですか?」
姫川が何かを気づいたようだ。
「この病気に感染したらら視界がおかしくなる。それはわかってます」
ですけど……と続く
「視界変化の度合いには個人差があると思ってましたが、この親子は同じ事を言い出したんですよね?」
確かに……
見えている物が変わる、その変わった後は同じ。
もしかしたら
今の視界を視界A、感染すると視界Bになる。
みたいな変化があるのかもしれない。
少し考えてた後、俺達は記憶消去を行うべく親子がいる部屋に行き、投薬した。