王都までの道のり 4
本日2個目の投稿です。
「よろしければテオ様が名をつけてくれませんか?」
「俺が名前を考えていいのか?」
名前……か、前世でもそんな経験したことないぞ。ペットなんて飼ったことないし、子供なんているわけもない。ん〜、どうしたものかな
「お前たちは何か特技みたいなものはないのか?」
「特技ですか?あるにはありますがそれの何が関係して?」
「いや、俺は今までに誰かに名前を付けたことなんてないから何か特技があるならそこからヒントを得て名前をつけようかと思ってな。教えてくれないか?」
「はいはーい!あたし、雷属性の魔法がめっちゃ得意だよ!」
「雷属性?そんな属性あるのか?」
雷属性なんて聞いた事なかった。確か神様からは火、水、風、土、光、闇、聖、無の8属性しか教えてもらってないはずだか……
『それは精霊属性の魔法です。精霊達が使う魔法の属性は人間には使えない属性なのです。逆に人間達が使える属性は私たち精霊には使えません。』
なるほど、精霊専用の属性という訳だな。しかし雷魔法か、ん〜、
「よし、お前の名前は"ライ"だ!」
雷からそのままライとつけてしまった。少し安直に、決めすぎたか?
「ど、どうだ?気に入らないならもう1度考えるが――」
「あっりがとー!!めっちゃ可愛い名前だね!私すごく気に入っちゃった!ライ……ふふっ」
「お、おう」
良かった。気に入ってもらえたみたいだ。しかしまだあと4人もいるのか……
そのあとの4人も同じように得意な属性を言ってきたからそこから考えた。
氷属性の得意な"ヒョウ"
毒属性の得意な"イズ"
木属性の得意な"キース"
空間属性の得意な"クー"
そして雷属性の得意な"ライ"
5人名前は案外簡単に決定した。全員不満なさそうに喜んでるから気に入って貰えたのだろう。
そのあとはエフィシスに色々と説明された。俺を人間界に返してもすぐに大精霊達を連れては行けない。連れて来るためには世界樹に俺の魔力を流してゲートを開かないと大精霊達を人間界に送れないらしい。世界樹は我が領と王都の道のあいだにあるからエフィシスに人間界へ返してもらったらそのまま行くよう父上に頼んでみよう。そのために俺の家族には大精霊達の事を伝えていいことを許可してもらった。そして精霊界の時間は人間界に流れてる時間と比べて随分遅いらしい。今もたくさん話したが人間界では10分と経っていないらしい。
「エフィシスは人間界に行かなくていいのか?」
こんなにたくさん話したから結構エフィシスと打ち解けることが出来た。エフィシスも来ると言うならもちろん大歓迎だ。
『お誘いありがとうございます。私もテオと一緒に行きたいのは山々なのですが、他の子達の面倒も見なければいけませんので、代わりと言ってはなんですがこれをテオに授けます。』
「ん?なんだ?何をくれ――」
その瞬間身体の底から力が湧き上がった感覚がした。
『テオには私の加護をさずけました。これは私からの感謝の気持ちです。どうか精霊達をよろしくお願いします。』
「加護?をくれたのか。すまない、加護とはなんなんだ?」
『言うなれば力を与えたという事はですね。私の加護を持っていればあらゆる状態異常を無効化してくれます。』
「それでさっき力が湧き起こった感覚がしたのか。ありがたく頂戴しよう。」
『いえ、これも全てテオがここに来てくれたからですよ。それでは人間界に戻ってからはよろしくお願いしますね。』
「ああ――」
そういって目を開けると俺は元の馬車の中にいた。
「テオ様もう起きたんですか?お休みになられてから10分とたっていませんよ?」
「っああ、もう目が覚めたよ。おはようマリアンネ。」
「おはようございます。まだまだ王都までは長いですよ?」
「ああ、大丈夫だ問題ない。そんなことより父上、少し話したいことがあります。」
「どうしたんだ?」
「今から言うことを驚かずに聞いてください。僕は今寝てたのですが、正確には寝ていませんでした。」
「何を言っているんだ?」
「寝ていたはずなのですが、精霊達と波長が重なり合い僕は今さっきまで精霊界で精霊王と話していました。」
「精霊だと!?何を馬鹿なことを言っている。私たち人間に精霊は見えないのだぞ?」
「はい。それは知っています。2000年前人間が精霊を虐げた事により精霊が元の世界に帰ったんですよね。全て教えてもらいました。」
「そうだ、だから私たち人間には見えないのだ。おそらくテオは初めてクレンティア領から出るから色々と混乱しているのだろう。1度休憩を挟むか?」
「父上!僕は混乱などしていません!僕は精霊王に頼まれたんです!精霊達を人間界に連れて行くように、そのために世界樹に僕の魔力を流さないと行けないんです!どうか信じてください!そして今から世界樹に向かってください!今からならまだ今日の夕方までには王都に間に合います!」
「テオ、1度落ち着きなさい。な?テオは疲れてるんだ。1度休憩を挟もう。その方がいい。おぉーい、1度馬車を止めてくれー!小休憩を挟む!」
「父上…」
なんで信じてくれないんだ。まぁ、信じられる話ではないから仕方ないがどうしたものか。こうなれば強行突破しかない!
「父上、どうしても信じてくれないと言うんですね。もういいです!世界樹には1人で行きます!」
そう言うやいなや俺は馬車から飛び出して世界樹へと向かった。
「テオ!待ちなさい!」
「テオちゃん!帰ってきなさい!」
「テオー!危ないよ!」
「テオ様!」
ごめんなさい。皆、俺はどうしても大精霊達を人間界に連れてこなくちゃ行けないんだ!エフィシスと約束したから!
「すぐに馬車を出すぞ!テオを追え!場所は世界樹だ!何人かは先行してテオを捕まえるんだ!」
「了解しました!」
「貴方、テオは大丈夫かしら、とても心配だわ!もしテオに何かあったら……」
「シェリーン、大丈夫だ落ち着きなさい。テオは無事に連れ戻すよ。」
「ルフレント様!テオ様が早すぎて追いつきません!」
当たり前だ!この7年間何もせずに過ごしてきたわけがない!7年間苦しい思いをして身体強化魔法ばかり磨き上げてきたからな!
「なんだと!もしかしてテオは身体強化してるのか!?まだテオは7歳だぞ!」
俺はただ無心で世界樹まで走っていった。
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