試験内容
最近体調が悪く昨日も急に休んでしまいました。
すみません!
まだ体調が悪いのでもしかしたら明日も休んでしまうかもしれません。
今日はついにDランク昇格試験だ。あれから1週間この日のために魔法の特訓と日課の筋トレを頑張ってきた。
俺は今1人でギルドへと向かっている。バビロアさんはというと今日は試験監督として先にギルドへと行っているらしい。
なんでもギルマスと知り合いだから頼まれたとか……今日はバビロアさんが一緒じゃないからしっかり気を引き締めていないと!
その決心を胸に俺は勢いよくギルドの扉を開けた。そこには……何一つ変わらないいつも通りの風景が広がっていた。
あー、なんだ、昇格試験だからちょっとテンション上がってたけど俺だけだったんだな。恥ずかしい……
「Dランク昇格試験を受ける方はこちらで受付してくださいねー!」
俺はその声がする方へ行ってみる。案の定そこにはコレットさんがいた。どうやら受付を担当しているみたいだ。
「あ、テオ君来たね!今日は昇格試験ね、急にこんなことを言われて不安だと思うけど頑張ってね!応援してるわ!」
「ありがとうございます!確かに不安はありますけど一生懸命頑張ってきます!」
そのあとコレットさんに受付をしてもらい、「まだ時間があるからもうちょっと待っておいてね。」と言われたので大してすることもないからギルド内にある食堂で軽食を取りながら装備に不具合がないか確かめていた。
周りにはおそらく昇格試験を受けるであろう人達が沢山いた。ソロの人もいればパーティーの人もいる。
「今回の昇格試験は絶対に受かってやるぜ!」
「それ言うの何回目だよ!」
「うっせぇ!今回の俺は一味違ぇんだよ!」
聞こえてくる話ではどうやらDランクになるのは一筋縄では行かないらしい。俺は再度今回の試験で手を抜かないことを胸に決意した。
「おい、その紙を持ってるってことはお前も昇格試験受けんのか?」
急に声をかけられたことに驚きながらも俺は声のする方へ振り向いた。そこには俺よりかは年上だが周りと比べるとまだ若い冒険者がたっていた。
「はい。僕も昇格試験を受けますが、何か用ですか?」
俺はこの人を知らない。冒険者は基本的に野蛮な性格だから相手を刺激しないように聞き返した。
「用も何もなんでお前みたいなガキがここにいるんだよ。お前確か先週登録したばっかだよな?そんな奴がDランクになれるわけねぇだろ。ちょっとばかし冒険者を舐めちゃあいないか?」
俺はこの男の人が言ったことに驚きを隠せなかった。見ず知らずの男性にここまで侮辱されるものなのか。
確かに俺は先週登録したばかりで新人冒険者だ。しかしこれはギルマスからの推薦で来ているだけであって断じて俺からお願いしたのではない!
腹立たしい気持ちもあったが試験前ということもあって俺は何とかその気持ちを押し殺した。
「あの〜、急になんですか?僕あなたのことは知りませんし、急にそんなことを言われても困ります。」
「はっ!これだからお子ちゃま冒険者は、いいか?お前みたいなガキ冒険者は俺みたいな先輩冒険者の言うことを聞いとけばいいんだよ!今すぐ試験を降りろ。」
何を言い出すかと思えば試験を降りろだって?なんでそんな事をしなくちゃいけないんだ。
まぁ、最初は試験は受けないでおこうと思っていたけど今はこの試験のために誠心誠意頑張ろうと決めたんだ!誰になんと言われようと受ける!
俺はあまりにもこの男の人の言ってることに腹が立ったので言い返そうとした。
「あー!サイガここにいたの?全く探したんだからね!……もしかしてまた他の冒険者に絡んでたの?あれほど止めなって言ったよね!」
「あ?俺がどうしようと勝手だろ!それに絡んでたんじゃねぇ、指導してたんだよ!今すぐ試験を降りろってな!」
サイガと呼ばれたこの迷惑な男の後ろからパーティーメンバーと思しき人達がやってきた。どうやらサイガ以外はまともな人らしい。
「何言ってるの!そんなのは指導とは言わないよ!……君、うちのサイガがごめんね?迷惑かけた?って聞くまでもないね……」
「いえ、正直迷惑してましたが止めていただいたのでもう大丈夫です。」
俺は少し嫌味ったらしく言ってみせた。
「君結構はっきり言うね……そうだ、君の名前教えて貰ってもいいかな?私はネロ、そしてこっちがドングとメグリ、そしてこの迷惑野郎がサイガだよ!」
「迷惑野郎じゃねぇ!!」
男女2人ずつのパーティーか、まるで合コンみたいだ。ドングさんはサイガとは違って優しそうな男の人だ。後で仲良くなりたいものだ。
メグリさんは、その……でかい。ナニがとは言わないがとにかくでかい……。
ネロさんも元気そうな人だな。後ろに背負われた弓があるからおそらく弓士なのだろう。
「僕の名前はテオバルトです。新人冒険者ですがよろしくお願いします。」
俺は丁寧に自己紹介を済ませサイガ抜きの3人と時間まで話をすることにした。
パーティー名は『レッドドラゴンズ』らしくリーダーはサイガらしい。凄い名前でみんなは止めたのだけどサイガが聞かなかったみたいだ。
「それでは今から昇格試験の内容を説明する!受けるものは集合せよ!」
ギルマスによる集合がかかり昇格試験を受けるものは皆声のする方へと向かった。
「それでは今から昇格試験について説明する。初めての者もいるのでよく聞くように。
今回の昇格試験も例年と同様魔物狩りだ。今回の場所はラルビック森林で行う。そして、討伐する魔物だがこちらも例年同様クジで決めてもらう。冒険者には運も必要だ。それぞれ引いた紙に書かれてある内容に従うように!」
魔物狩りだが何を討伐するのかはクジで決めるみたいだ。簡単なものであって欲しいと願っていた。
「次、テオバルト!」
「はい!」
俺はギルマスに呼ばれてクジを引きに行った。
お願いします!お願いします!できるだけ簡単なのが来ますように!
俺は恐る恐るクジを引いた。そこに書かれていた内容は……
「君は運がいいな!……」
お!良かった……俺は運が悪くなかったみたいだ。
「対象:ブルーウルフ
討伐数:20体
この試験は今回の中で1番難しいぞ!頑張れ!」
俺は書かれた内容を見て絶望してしまった。今回の試験の中で1番難しい物を引いてしまったからだ。
チラッとギルマスを見るとなんとも言えないとても嬉しそうな笑みを浮かべてこちらを見ていた。
俺の運は最悪だった。
読んでいただきありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!




