ランク昇格！？
ギリギリ間に合いました！
本日もよろしくお願いします！
「さて、全員揃ったか……おい、いつまで寝てるんだ。いい加減起きろ。」
ギルマスのドレファスさんがメイビックの頬を叩き無理やり起こしている。……ドレファスさん、それ以上叩いたらメイビック死んじゃいますよ……
「おい！いつまで俺様を縛っている！さっさとこの縄をほどけ！」
メイビックは起きるや否や騒ぎ始めた。
「黙れ！この場は僕が仕切っているんだ！勝手に発言することは許さん！」
「――ッ！」
ドレファスの威圧にメイビックは黙り込んでしまった。
「うるさい奴もやっと黙ったからさっそく何があったか聞こうか。バビロアさんに聞こうか、この中なら1番信用できるからね。」
「あら、ドレファスちゃん私のこと覚えててくれたのね。嬉しいわ〜。」
「当たり前でしょ。元パーティーメンバーなんだから。」
ドレファスさんの言葉にその場にいた全員が驚いていた。もちろん俺も含めてだ。
ドレファスさんとバビロアさんが元パーティーメンバー！？だからさっきバビロアさんはドレファスのことを知っているような感じで言っていたのか……
ん？待てよ？ギルドマスターまで登りつめるということは冒険者として活躍してたということだよな？バビロアさんってランク何なんだろう……
「す、すみません……おふたりが元パーティーメンバーということはわかったのですがギルドマスターになるくらいなら結構冒険者として活躍してたということですよね？その頃のランクなんかを教えて欲しいのですが……」
「ランク〜？私テオちゃんに言ってなかったっけ〜？今も昔もランクはSよ〜。」
バビロアさんの発言でさらに全員が驚いていた。そんな中メイビックだけが悔しそうな顔をしていた。
でも確かに納得が行く。実質Bランク冒険者のメイビックをいとも容易く返り討ちにしていたからな……
けどメイビックがBランク相当だとしたら拍子抜けだ。先にバビロアさんに殴られて弱っていたとしても俺の魔法一発で倒れるものだろうか……
「ん゛っん゛、そろそろ何があったか話してもらってもいいだろうか。私はメイビックが倒れていた場面しか見ていない。場合によってはそこの少年とバビロアさんの冒険者カードを剥奪しなくちゃいけない。だから早く話してくれないか？」
「も〜ドレファスちゃんったら昔っからせっかちなんだから〜。わかったわよ。1から話すわね。」
バビロアさんがあった事をこと細やかに着色せず話してくれて、それに加えコレットさんの証言もありドレファスさんを信用させることが出来た。
「まぁ、はなからそうだろうとは思っていたよ。こいつがここのギルドで好きかってしていたのは知っていたがどうにも証拠が掴めなくてな、今回の事は明らかなギルド違反だ。よってメイビック、貴様のカードは剥奪だ。二度と冒険者ギルドに近づくんじゃない！」
ドレファスさんの力強い言葉にメイビックは何も言い返せず素直に出ていこうとした……が、去り際俺の方をすごい勢いで睨み付けてきた。
「お前のせいだ。覚えておけよ。平民の癖に貴族の俺様に歯向かいやがって……」
メイビックは何か言ったみたいだが正直声が小さく聞き取れなかった。
メイビックは男のギルド職員に連れられてカード剥奪の後処理などをしに行った。
「あ〜あれは相当恨まれたな。少年、恐らくメイビックは君に危害を加えようとするだろうから気をつけたまえ。これは忠告だ。」
「ドレファスちゃん、この子の名前はテオバルトよ。ルフレントの子供なんだからもうちょっと優しく接してあげなさいな。」
ドレファスさんは父様の子供が僕と聞いても驚かなかった。逆にそうであることを知っていたかのような反応を見せていた。
「やはり君はルフレントさんの子供だったか。目がとてもルフレントさんに似ていてな、そうではないかと思っていたのだ。」
「そ、そうなんですね。改めて自己紹介をします。テオバルトです、今日冒険者登録をしたばかりですがよろしくお願いします。」
今は貴族のテオバルトとしているのではなく冒険者のテオバルトとしてここにいるから手短に挨拶をした。
「今日登録したばかりのテオバルト少年がメイビックを倒したのか……バビロアさん正直にテオバルト少年の事どう思う。」
「テオちゃんの事？そりゃもちろん食べ――分かったわよ。真剣に答えるからそんな怖い顔で見つめないでちょうだい。
正直テオちゃんは強いわ。今はまだ私たちの方が強いでしょうけど1年……いや、半年あれば私たちより強くなるわね。今はそうね〜、Aランク冒険者相当ってとこかしら。」
僕かAランク相当！？そんなことがあるはずがない！コレットさんもすごい驚いているじゃないか！僕は今日登録したばかりだよ！？
「バビロアさんもそう思うか。……よし、テオバルト少年のランクを上げよう。さすがに一気にＡランクとまでは上げれないがそうだな〜Dランクにまであげようか。」
びっくりしたぁ〜！初日からAランクに上げられるかと思った……冒険者は徐々にランクを上げていくのが楽しいのに、そんな楽しみを奪われてはこっちもたまったもんじゃない！
「ただ、君がDランクになれるかどうかはテオバルト少年、君次第だ。」
「それはどういう意味ですか？」
「冒険者のランクを上げるには依頼を完璧にこなすことだと聞いているとは思うが正確には違う。ランクを上げるための資格を貰えるだけだ。つまりランクを上げるには試験を受けてもらわなければいけない。それに受かればランクはあげてもらえるし、落ちればまたおなじランクだ。」
そういう事か、つまりどんだけ依頼を完璧にこなせても試験を合格できなければ意味が無いそういうことなんだな。
「その試験というのはどういったものなんでしょうか？」
「Dランク昇格試験は魔物狩りだ。詳しいことは1週間後にある昇格試験で話そうじゃないか！」
ドレファスさんは面白いおもちゃを見つけたと言わんばかりにこちらのことを見てニヤついている。
はぁ〜、魔物なんて出会ったことも無いから幸先が不安でしかないよぉぉぉぉぉぉ！
読んでいただきありがとうございます！
これからもよろしくお願いします！
