あっけないメイビック
すみません!昨日は体調が悪くあげることが出来ませんでした!もうすっかり治ったので今日からまた毎日投稿していきます!
皆さんも風邪には十分気をつけてください!それではどうぞ!
「コレットさんから離れてください!コレットさんが困っています!」
「あ?なんだてめぇ?ガキの癖にいっちょ前に俺様に指図してんじゃねぇよ!」
えぇ〜、コレットさんと話してたときそんなに怖くなかったじゃん、性格変わりすぎでしょ〜。
「お前ら見ない顔だな、最近冒険者になった奴か?まぁいい、俺様は寛大だからな今回は見逃してやる。ただ、今後二度と俺様に楯突くんじゃねぇぞ!ここのギルドで1番強いのは俺だ!痛い目見たくなきゃ俺様の言うことを聞いとけよ!」
メイビックは『俺が中心だ!』とでも言わんばかりにのけぞって俺を見下している。正直俺が想像していた"お約束"とはかけ離れていてどうしようかと悩んでいた……
「テオ君、もう大丈夫だからね?私が我慢していればいいだけだから……」
そう言ったコレットさんは無理やり笑顔を作り俺を安心させようとしていた。俺はコレットさんのそんな笑顔を見たいわけじゃないのに……
「メイビックさん、私があなたの専属になればもうこのような事はやめていただけますか。」
「あぁ、もちろん!君が僕だけの専属になってくれればもう他の冒険者達に危害を加えないと約束しよう。」
メイビックがそう言った瞬間周りで聞いていた冒険者達がざわつき始めた。
「今の話聞いたか?」
「ああ、あいつからなにもされなくなるんだろ。もうあいつに怪我をさせられるのはごめんだよ。」
「コレットちゃんには悪いが俺達ももう限界なんだ……」
口々に今までメイビックにされたことをいって自分達が助かるためにコレットさん1人に背負わせようとしている。
俺はそんな冒険者達を見て心底呆れてしまった。冒険者は自由がいい所だと思っていたし、自分の自由を縛るものには刃向かっていってなんぼのものだと思っていた。
俺は少し冒険者という職業に夢を抱きすぎていたのかもしれない。そんな冒険者何かのためにコレットさんが犠牲になるなんて許してたまるか!
「ダメです!コレットさんは僕の専属でもあるんですから!まだ出会って時間は短いですけど僕はコレットさんが良いです!」
これは俺の本心だった。コレットさんは俺が冒険者になりたてで不安をたくさん持っていたが、それを全て取り除いてくれるように接してくれたし、なにより俺はコレットさんの笑顔にトリコになってしまっていた。
コレットさんは誰から見ても美人でエメラルドの様な綺麗な瞳と同じ色のロングヘアーだ。そんな綺麗な瞳も笑みを浮かべる時はくしゃっとなって美しさの中に可愛さが表れる。
「おいガキ、まだ俺様にたてつくのか?もうこれ以上は見逃してはやれないなぁ〜。おじさんには悪いがこのガキは始末させてもらうぜぇ〜。」
メイビックが何も考えずに言った『おじさん』という言葉にいち早くバビロアさんが反応した。
「あら〜、誰に向かって『おじさん』だなんて言っているのかしら。私は立派な乙女よ♡」
バビロアさんがそう言った瞬間メイビックは宙に浮いていた。そう、バビロアさんにぶっ飛ばされたんだ。
「――ッ!!てっめぇ!このメイビック様を殴りやがったな!まずはガキからだ!」
メイビックは他のものに目もくれず俺のところへ一直線に向かってきた。
うわぁ〜、絶対見た目で俺が1番の雑魚と思われたんだろうなぁ〜、まぁちょうどいいや!人にはどれくらいの威力で魔法を打てば良いか分かるし!メイビックさん、ちょっと実験台になってください。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!」
「え〜っと、ロックバレット!」
「――っぐへ!」
俺が放った魔法は見事メイビックの顔面に命中した。メイビックは気絶して伸びている。
そんなメイビックを見て冒険者連中は歓声を上げている。
「やったぞ!ざまぁみろ!」
「あの子すごいな!魔法を無詠唱で放ったうえに魔法媒体がないのにあの威力だぞ!」
どうやらメイビックがやられた事がよっぽど嬉しいようだ。一体メイビックはどんなことをしてたんだよ……
「テオ君、本当にありがとう。まさか今日冒険者登録をした子に助けられるなんてね。お姉さんかっこ悪いね。」
「そんなことないですよ!コレットさんはとても頼りになります!まだあって数時間ですけどそれだけは断言できます!」
「そう?そう言ってくれると私も気が楽になるわ。」
一段落したのでメイビックがまた暴れ出さないように縄で縛ろうとした時……
「さっきからうるさかったが一体なんの騒ぎだ!」
そう言って後ろの階段から白髪の美青年が声を上げていた。絹の様な綺麗な髪に尖った耳からわかるようにエルフ族だ。
「ギ、ギルドマスター!」
コレットさんが驚いたようにそう言った。
「バビロアさん、ギルドマスター?ってだれ?」
「ギルドマスターはそのギルドで1番偉い人よ。たしかここのギルマスはドルファスだったかしら。あの子も全然変わってないわねぇ〜。」
バビロアさんは以前ここに来たことがあるのかな?さっきの言い方だとここのギルマスを知ってるような言い方だったけど……
「コレット、これは一体なんの騒ぎなのだ?」
「は、はい!これは少々厄介ごとがありまして……私がそこで伸びているメイビックに絡まれているの所をこちらのテオ君に助けて貰ったのです!」
「ほう、その少年がか?」
ギルマスのドレファスさんは俺の事を舐めとるように見ている。
「あ、あの、何か?」
しばらく黙って我慢していたがあまりにも見られていたのでつい我慢できずに聞いてしまった。
「いや、メイビックはCランクではあるが実力はBランクはある。そんな男を登録したばかりの少年が倒したとなっては興味が湧くのは仕方の無いことだろう。まぁいいとりあえず私の部屋で詳しく聞こう。そこで伸びてるメイビックも連れてくるように。」
俺は登録そうそう面倒事に巻き込まれてしまった。
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