家庭教師……
2章開幕です!
1週間の王都滞在から3ヶ月が経った今日ついに家庭教師が来る!王都から帰った次の日に父様が依頼を出してくれていて何回か家に冒険者がやってきてたけど父様のお眼鏡にかかる人が来なかった。勉学の方の先生にはもう来てもらっている。勉学と魔法の勉強を両立するためにそれぞれ1日ずつ曜日ごとに来てもらっている。この世界には曜日がある。
「風、火、水、土、光、闇、聖、無」
このように属性魔法が元にされていて、8つの曜日がある。風、水、光、聖の日を魔法、火、土、闇、無の日を勉学に分けている。それで今日は水の日!本当は風の日からの予定だったのだが相手の用事が長引くとかで急遽無くなったんだよなぁ、あぁー、早く来ないかなぁ!!
「テオ様、客室にルフレント様と家庭教師の方がお待ちしております。」
「来たの!?今すぐ行こう!」
どんな先生なんだろう。優しく教えてくれる先生がいいなぁ、俺はそんな期待を胸に客室の扉を開けた。
「失礼します。テオバルト・ノア・シルバスです。」
「おぉ、テオ来たか。こちらがお前に魔法を教えてくれる先生だ。」
「よろしくお願いします!」
さぁ、どんな人なんだ?
「あらやだ、可愛らしい子じゃないの!こんな可愛い子がほんとにあなたの子なの?」
お、オネェだと!?なんか想像してたのと全然違うんですけど!?!?筋肉は盛り上がってるし、顔には派手なメイクがしてある。それにおかっぱで髭も生えてるじゃないか……
明らかに魔法を教える系の人じゃない!!
「テオ、お前の反応も分かる。最初は誰だって戸惑っている。どうしてオネェなのだと、どうして魔法使いのくせにマッチョなのだと、でもまずはそんな先入観は捨てて接してみてくれ。」
「ぜ、善処します……」
「じゃあまずは自己紹介からね。私はバビロアよ。気安くロアちゃんって呼んでね。」
っう、ゴリゴリマッチョオネェのウインクはキツすぎる……父様頼む人間違えたんじゃないか……
「ぼ、僕は先程も言いましたがテオバルト・ノア・シルバスです。テオと呼んでください。」
「テオちゃんね、……可愛らしい名前じゃない。お姉さん興奮しちゃうわ!」
なにに!?なにに興奮するの!?僕食べられちゃうの!?やだよ!
「あはは、ご冗談はそれくらいにしてくださいよ……そういえば先程父様とバビロアさんは仲良さそうに話していたのですがおふたりはお知り合いなのですか?」
「あぁ、実はなバビロアとは昔冒険者仲間だったのだ。私は貴族だったので引退したがバビロアは今でも現役だぞ。俺の依頼を見て来てくれたのだ。」
「バビロアさんって冒険者なんですか!?冒険者って楽しいですか!冒険者ってどんなことをするんですか!!」
来たぞ!ファンタジーっぽい単語が!!冒険者っていう職業に憧れてたんだよなぁ!!
「あら、冒険者について知りたいの?それなら登録しに行く?」
「行けるんですか!?行けるなら是非行ってみたいです!」
「まずはお父さんに許可を取らないとねぇ〜」
「父様!冒険者になっても良いですか!?」
「やはりな、バビロアに頼んだ時からテオは冒険者に興味を持つだろうと思っていたよ。」
「なら――」
「まだだめだ。テオは何のために家庭教師を呼んだのだ?冒険者になるためか?違うだろ?まずは魔法を上達させるのが先だ。それができた後ならテオの好きにするといいよ。」
「父様ありがとうございます!バビロアさん!さっそく魔法を教えて貰っても良いですか!?」
「あら!さっそくやる気ね!わたし元気がある子は好きよ!」
俺とバビロアさんは庭に出た。まずバビロアさんに俺の魔法を見せて欲しいと言われたので全属性の初級魔法を見せた。バビロアさんは信用できるからと父様が先に話していたらしい。
「これで最後です。どうでしょうか。」
「う〜ん、荒いわねぇ〜。」
「荒い、ですか?」
「ええ、テオちゃんの魔力操作はすごく荒いわ。まず魔力操作をなめらかにしないと威力の調整なんて無理よ。」
「分かりました!ではどうすればなめらかに出来ますか?」
「そうね、まずは私がお手本を見せるから見ててね。」
そういってバビロアは手本を見せてくれた。魔力操作を高めるためには魔力を身体全体に巡らせるのだが全て均一でどこにもムラがない。非常に薄い1枚の膜がバビロアを包み込んでいた。
「どぉ?わかる?テオちゃんの魔力操作は魔力を身体に巡らせただけなの。魔力操作レベルを高くするにはどこにもムラを作らずそれに加え出来るだけ薄くすることを目指しましょう。」
「分かりました!やってみますね!!」
俺は魔力を巡らせる。ムラを作らないように……できるだけ薄く……あれ、いつもより身体が軽い気がする。もしかして上手くいったのか?
「バビロアさん!なんだかいつもより身体が軽い気がするんですけど!僕これできてますか!?」
「え、えぇ、できているわ、完璧に。魔力操作のレベルが高くなったから本来引き出されるはずの力が十分に使われているのよ。」
「ルフレント、あなたの子はすごいわね……」
「あ、あぁ、自慢の息子だ…」
俺は2人が驚いているのを知らずにいつも以上に動く事に感動を覚えずっと動き回っていた。
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