王都散策
遅くなり申し訳ございません!テスト勉強で遅くなりました。今週末からは定期的に出せると思います!
「マリアンネ!早く!!」
「待ってくださ〜い、テオ様〜、ロッテ様〜」
俺たちは今王都の中央噴水に来ている。辺りどこを見ても屋台ばかりだ。この時期は毎年洗礼を受けに来る家族が王都に集まるのでちょっとしたお祭り騒ぎになるらしい。つまり、絶好の稼ぎ時なんだと。
「テオ!あれ美味しそうじゃない?」
「美味しそうですね!マリアンネあれ買って食べてもいい?」
俺たちが見つけたのはスモールボアという魔物の肉を焼いて串刺しにしたものだ。なんでもスモールボアの肉は脂身が乗っていてすごく美味しいらしい。冒険者達にも人気なんだとか。冒険者か、大きくなったら冒険者ギルドへも行ってみたいものだ。
「はいはい、夕食を食べれなくなってはいけませんから1本ずつだけですよ?」
「ありがと!!」
「おじさん!このお肉を3つください!」
「お、坊主おつかいか?このボア肉だな?それなら3つで銅貨6枚……と言いたいところだが坊主今何歳だ?」
「僕?僕は7歳だよ!洗礼を受けるために王都に来たんだ!」
「そーか、なら今回は特別に半額の銅貨3枚でいいぞ!」
「本当に!?ありがとうおじさん!」
俺たちは王都散策をするから父様からは銀貨を100枚貰っている。しかしなんて気前のいいおじさんなんだ!そう思いながら俺はボア肉を持ってマリアンネたちの元へ戻っていく。まぁ、戻るといってもすぐそこにいたんだが。
「はい!ロッテ姉様とマリアンネの分も買ってきたよ!」
「テオありがとう!」
「テオ様、ありがとうございます。」
俺は我慢できず取り出したボア肉にかじりついた。その瞬間……
「うまっ!めっちゃおいしい!おじさん!この肉めっちゃおいしいよ!」
「お〜そうか!それは嬉しいこった!」
この肉は本当に美味しかった。噛んだ瞬間に口の中に肉汁が溢れて、タレとの相性がばっちりだった。姉様やマリアンネもすごい美味しそうに食べていた。そんな様子を見ていた周りの人達が
「あら、ずいぶんと美味しそうに食べるわね。私も食べたくなっちゃったわ。」
「ママー、あのお肉おいしそー!僕も食べたい!」
「そうね、少し買っていきましょうか。」
「親父!俺にもそのボア肉を1本くれ!」
「俺は3本!」
「私は5本よ!」
と、言い出しそのお店のまわりに急にたくさんの人が集まりだした。お店のおじさんは忙しくなった事に嬉しさを感じていたがそれと同時にとても疲れていた。
「坊主!お前さんのおかげで急に繁盛しだしたよ!ありがとな!これはお礼だ!」
「僕何かした?まぁ、いいや!ありがとうおじさん!」
俺は肉を取りに行き、またマリアンネたちの元へ戻っていく。
ドンッ!
「いったたた〜、ごめんなさい。」
「ッチ、クソガキ!ちゃんと前見て歩け!こっちは急いでんだよ!」
なんだよ、こっちが前を見て歩いてなかったのは認めるがそっちも前を見てなくてこんな人混みの中走ってるから悪いんだろ!って…うわ〜肉のタレが服にめっちゃついちゃった。帰ったら母様に怒られるだろうな〜。
「テオ様!大丈夫ですか!?申し訳ございません!私がしっかり見ていなかったから……どこか怪我などしてませんか!?」
「あっはは、大丈夫だよ。ちょっと擦りむいただけだし。僕も初めての王都ではしゃぎすぎてたよ。ごめんなさい。」
「いえいえ!今後気をつけていただければ!それよりさっきのおとこどうします?追って捕まえますか?」
「何言ってるのさ!そんな事しないよ!そ、それより服汚れちゃった。どうしよう……」
びっくりした。マリアンネはむかしから僕のことになると急に怖くなる。過保護にも程があるよな〜
「それなら今から服屋に行きましょ!私王都の服を1度ゆっくり見てみたかったの!」
「いいですね、そうしましょう。さぁテオ様お立ち出来ますか?」
「うん、ありがとう!」
それから俺たちは服屋だけでなく色々な場所をまわった。雑貨屋に行ったり魔道具店に行ったりした。俺が冒険者ギルドにも行ってみたいって言った時は盛大に反対されたけど……まぁ、初めての王都散策を満喫できたから良かった!
「王都っていろんなお店や屋台があるから全然飽きないね!今日は本当に楽しかったよ!マリアンネありがとう!」
「そうね!私は2回目だけど前以上に楽しめたわ!マリアンネ私からも礼を言っておくわ!ありがとう!」
「いえいえ、おふたりに楽しめていただけたならそれで良いんですよ。こちらこそ楽しい時間を過ごさせてくださりありがとうございました。」
「じゃあそろそろ夕飯の時間だから帰ろう!って、僕達今からどこに帰るの?」
「ルフレント様の別邸ですよ。ルフレント様は仕事で王都によくいらっしゃるので別邸を建てておられるのですよ。」
「そうなんだ!それなら早くその家に行こうよ!」
別邸か……さすが貴族と言ったところだな。前世なら別邸とか別荘とかの単語を身の回りで聞いたことがないから絶対にびっくりしていたけどもうこっちの世界に来て7年もいるから慣れてしまった。
「テオ様、ロッテ様、屋敷には知らない使用人がいますがびっくりしないでくださいね。王都の屋敷とクレンティアの屋敷では距離があるので王都の屋敷を綺麗に保つために専用の使用人が必要なのです。」
「そうなんだね!じゃあみんなにちゃんと挨拶しないといけないね!」
「そんな、皆に挨拶なんて普通でしたら私たちから挨拶をするのですからテオ様は何もしなくていいのですよ?」
「それはダメだよ!みんなは僕達の家を綺麗にしてくれているのに、ちゃんと挨拶と一緒にお礼もしなくちゃ!」
「テオ様はお優しいのですね。……そんな話をしている間に屋敷に着きましたよ。」
「僕もう腹ぺこだよー!早くご飯食べよう!」
俺はそういってすぐに屋敷に入った。父様と母様は既に帰っていて俺達が帰ってくるのを待ってくれていた。見慣れないメイド達に少し緊張はしたがいつもどうり楽しくみんなで夕食を食べることが出来た。
「テオ、明日のパーティーだが気をつけておけよ。」
「何に気をつけるのですか?」
「お前は公爵家の息子だ。そしてまだ誰とも婚約を結んでいない。だからこのパーティーを機にお前に婚約を申し込んでくる家は多分多いぞ。」
「婚約!?そんな!まだ早くありませんか!?僕まだ7歳ですよ!?」
「貴族だからな。婚約を結ぶのが早いんだよ。場合によっては生まれてくる前から決まっているところもあるくらいだ。だから、明日のパーティーではそれとない感じで流しておくように。」
「は、はい。わかりました。」
まさか7歳で婚約を結ぶ可能性があるなんて思ってもいなかった。
読んでいただきありがとうございました!これからもよろしくお願いします!