転生1
「サイッテー!二度と話しかけないで!」
パンっ!と寂しい音が鳴った。なんでいつもこうなるんだろう。そんな事を考えながら、
近くの公園で昼食を取っていた。
「いやぁー、さっきのは派手に行かれたなぁー。」
「なんだよ、笑いに来たのか?いくら親友のお前でも怒るぞー。」
「冗談だって、そう怒るなよ、な?なぁに、俺はお前が悲しんでないか見に来ただけだよ
まぁ、その様子なら大丈夫そうだな。今度は何したんだよ。」
「特に何もしてないんだけどなぁー、俺はただ、高校の時の友達から合コンの誘いがあったから行ってもいいか聞いただけだよ。」
「え、お前それまじで言ってんの?だとしたらお前に恋愛は向いてねぇよ。」
「俺は付き合いたくて付き合ってた訳じゃない。」
そうこれは好きだから付き合ってた訳では無い。相手から告白されて断れないからOKして一方的に振られてるだけなのだ。本当にひどい話だ。
「はいはい、またそれかよ顔はいいのに中身が腐ってるからなー、俺にもその顔の良さ分けて欲しいぜ。」
「お前も十分かっこいいと思うけどな。」
「挑発してるのか?まぁ、お前は素がこうだからないつも周りを勘違いさせるんだよ。
じゃあ俺もう行くわ、慰めてやったんだ今日1杯奢れよ?」
「分かったよ、けど俺今日残業だから遅くなるぞ。」
「はぁ、どうしていつもこうなるんだろうな。まぁ、分かってはいるんだけどな·····」
ずっと前から分かっていた。いや、本来はそうだった。
俺は大学の時に付き合ってた彼女に浮気された。ばったり会うまでは全く気づかなかった。そしてその時言われた言葉をまだ引きずっている。
「あー、だるー、まぁ正直君とは遊びだったし、本命はこっちだからもう連絡してこないでいーよー。」
俺は本気で好きだった。それゆえに許せなかった。もしまた裏切られたらと思ったら怖くて、そこから俺は本気で好きになった人は居ないし、まず好きという感情がよく分からなくなっていた。
「って、なに黒歴史思い出してんだよ。悲しくなってきたわ。」
よし、切り替えて行こう!夜はあいつに奢らないといけないし稼ぐかー!
そう気合を入れた矢先だった。
「ん?あのトラックの運転手寝てないか?このままじゃ子供が!」
気づいたら体が勝手に動いていて子供を助けていた。子供は無事だったから良かった。しかし、その安心がダメだった。助けるのに必死で今度は自分がトラックの前にいた。
もうトラックはそこまで来ていて俺は考えることをやめた。
「まじか、こんな所で死ぬのかよ·····」
次の瞬間俺は意識を手放していた。