ゴブリン、オーガはおそるるに足らず
「アハハハハハ!!」
斬る、斬る、斬る……
「アハハハハハハハハハハ!!!」
首を刎ねる、『黒の消滅』で消し去る、『白の侵食』で自由を奪う……
「アッハッハッハッハッ!!!!」
不純物を消し去って吸収……
「ハハハハハハ!!!ゴホッ!ゲホッゲホッ!オエ……」
近寄ってくる最後の一体の心臓を握りしめる……
「フゥ……」
で、回収しきれてなかった分の魔力と気を吸収しておく。この時若干『白の侵食』の比率を高めれば、侵食した後に支配できるから、結構楽になる。
「大体5時間かな……」
狂うことのない体内時計で正確に図ってるから、獲物を探し始めてから4時間54分ってことは分かるけど、大体5時間ってことでいいだろう。
で、僕が狂ってる間にダンジョンを結構進んでたみたいで、気づけば目の前には結構豪華な門がある。
「ボス部屋ってやつかな?」
これでボスじゃなかったらなんだって話なんだけど。
「まあいいか。入ってみよう」
準備もする必要は無いし。
魔力と気はダンジョンに来た時に比べて100倍に膨れ上がってるしね。
「あ、そ〜だ、いいこと考えた」
という訳で早速実行。
目の前の空間の座標を正確に認識して、『白の侵食』で正確にその形を象って侵食。
で、その侵食した座標を『黒の消滅』でもって完全に周囲の空間から隔絶。
最後に魔力と気を大量に流し込んで結晶化させて、固定する。
「……ん、完成!」
で、出来上がったのは、確かに感触はあるけど見えない空間の剣。
ずっと無手だとどこかで限界が来るし、だったら身近な材料から手軽にできる剣を作った方がいいと思ってとんだよね。
「銘は……そうだね、『絶空Mk.1』かな?」
これからも壊しては結構作ってくことになるだろうからね。だからMk.1。
それじゃあ、行こうか。
僕は門を開ける。
その先の広い空間の中央に居たのは、鬼。
それも、棘金棒に虎パン、それに角が生えてる奴。
……はぁ……
「もうさぁ、人型の動きは解析できてるんだよね……」
詰まりは、僕の才能が人型相手ならまず負けない体の動かし方を獲得させてくれたってわけでもあるんだけど……
つまんな……。
縮地、隠密、消音、首刎ね、死亡、吸収……。
はぁ……即死って……もうちょっと張合いが欲しい……
もう声を出すのすら億劫だ。
でも腐ってもボスだからか、増える魔力と気の量は雑魚よりも多い。
さて……どうしようかな……




