外遊 01
「ラファエルさん大丈夫でしょうか」
「ふぉふぉ、ちゃんと鍛錬しとるようだし問題はないと思うがの」
国王であるお爺様は何に心配もしていないようです。
「話は変わるのだがそなたにやって欲しいことがあるのじゃが」
「なんですかお爺様?」
「何、ちと儂の代わりに諸外国に赴いて欲しいのだ」
「そんな重大なことを私が?」
「難しいことは他の使者に任せとけばよい。そなたは同い年ぐらいの娘と友達になればよい」
「友達に?ですか」
「ラファエル殿が試練を無事抜けて正式な騎士になるには、数か月見習いとして訓練をしなければならん、外遊をして戻ってくるぐらいには叙勲式じゃ、受勲をそなたに任せたい。そのためには実績が必要じゃ」
「お爺様が授けたほうがよろしいのでは?」
「誰が受勲をしたかは騎士にとっては重要な意味を持つ、そなたのことを託せると思ったこそ試練を受けさせた。」
「お爺様、託せるって。」
「そなたの王族としての血筋を狙っておる諸侯もおる、外遊に出ておる間に地盤を固めとくからの」
「断れば望まぬ結婚を強いられると?」
「場合によってはありうる。実際、侯爵の一人はお前さんの母を狙っておってな、そなたは容姿がよう似ている」
「わかりましたお爺様、若輩の身ではありますがその話お受けいたします。」
こうして私の諸国外遊が決まった。




