願いは叶わぬもの
〜001〜願いは叶わぬもの
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桜の花びらが咲き乱れている4月今日僕、碇聡は公立高校である清風高校の2年生になった。
僕が通っている清風高校はこの辺ではそれなりに偏差値が高く、進学率も高い高校である。
学校に到着し、クラス分けの紙が貼ってある掲示板のある中庭に向かった。
「うわぁ、、」
ここ清風高校は、高い進学率と緩い校風が相まって県外からも生徒が受験するような人気校であり生徒の数は多い。
聡は、自身のめんどくさがりな性格上家から通えるこの高校を選んだ。
1クラス40名の8クラスで1学年320名であり、何故かクラス分けの紙はこの中庭にしか掲示されないのである。おおよそ1000人近い生徒で埋め尽くされている光景を見て人混みが嫌いであり、面倒臭がりな聡にとっては辛いものであった。
(こんだけ混雑するなら他の場所にも掲示すれば良い良くないか、、、)
そんな事を考えていると後ろから声を掛けられる
「よう、聡 クラス分け楽しみだな!」
そう言って話しかけてきた茶髪で端正な顔立ちをしており身長も180cm近いイケメンは、1年の時に誰とも馴染めなかった聡に積極的に話しかけてくれた鏑木翔太である。この翔太のおかげで聡は少ないながらも友達の輪を広げることができたと言っても過言ではないほどコミュ力が高い。いわゆるトップカーストである。
聡は、面倒臭いから黒髪で髪を切るのも面倒であるからある程度伸ばしている。髪を切ったらイケメンになるような訳でもないが、平均より少しだけ整った顔をしており。身長も170cm前半であるごく普通な容姿をしている。ただ女子にモテたいなど他人に興味がない聡にとって他人にどう思われるかはどっちでもよかった。聡はそう言った考えなのでもちろん友達は少なく、カーストは最底辺なのである。
「翔太か、、 朝から元気だな」
「当たり前だ!今日は運命のクラス分けだぞ、やっぱり愛雅ちゃんか妃菜ちゃんと同じクラスになれたらいいな〜!そう思うだろ?聡?」
この学校には、2年生、つまり聡と同学年に美少女が2人おり、それが先ほど出てきた鏡愛雅と碓氷妃菜である。
愛雅は、金髪に緩めのパーマをかけており、顔、スタイル共にずば抜けている。目は少しきつめだがそれが良いと言う奴もいる。妃菜は、亜栗色の髪をしておりこちらも顔、スタイル共にずば抜けている。目は少し垂れている包容力を感じさせる顔をしている。特に妃菜は胸がとても大きい。決して愛雅が小さい訳ではない。共に男子に絶大な人気を誇っている。2人ともギャルのような見た目をしている。この2人は毎日のように先輩や同級生、後輩などから告白されているらしい。このらしいという事だけでも聡がどれだけ周りに興味がないのかが分かる。
「そうか?俺はそこまでなんだけどな、、普通に過ごせたらいいけどな」
「聡ならそう言うと思った、、」
聡がモテたい、女の子と仲良くしたいなど思ってないことを翔太は知っていたので苦笑しながら会話していた。
そうしていると聡達の前が空き、掲示板が見えるようになった。
すると、、
「あ!」
「どうした名前があったか?」
「愛雅ちゃんと妃菜ちゃんは2-4だ!」
「お前、自分の名前を探せよ、、、」
お調子者である翔太は自分の名前よりも先に2人の名前を探していた。
(2-4はメンドくさそうだから勘弁願いたい)
そう心の中で祈っていた聡に翔太は、、、
「聡!俺たち2人とも2-4だ!やったな!」
翔太の声によって細やかな願いも崩れ去った。
「翔太と今年も一緒か、よろしく頼むな」
「おう!早速教室にいこうぜ!」
清風高校は学年が上がるにつれ階が上がるというシステムになっており職員室などがある1階を除き2階からが生徒の階となっており、2年生の教室は、3階である。
「なぁ、普通歳が増えたら階は低くなるものじゃないのか」
「まあ確かにな、まあ聡は運動した方がいいから高くなっていった方がいいな」
「僕は運動はしんどいから嫌なんだよ」
聡はもちろん帰宅部であり、翔太はサッカー部である。ただ聡は運動は嫌いだが出来ないわけではない、むしろ身体能力は高い。
このようなたわいのない話をしながら教室を目指していく。
座席表は、前後のドアに貼ってあり、縦に5席横に8列という形となっている。
聡は、碇なのにも関わらず、窓際の5列目という最高のポジションをゲットした。
(碇にも関わらず5番目、名前が早い人が多いんだな、まあ僕としてはラッキーだけど)
そんな思いはこのすぐ後に崩れ去る
ガタッ!
隣の席の人が来たようなので聡も一応挨拶しておこうと右側を振く
「よろし……」
そう聡が最も関わりたくなかった鏡愛雅であった。
初めまして。奏と申します。
初めての投稿ということで稚拙な文かもしれませんが楽しんで頂けると幸いです。
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