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たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
八話:カウンター
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夜九時、杏那を待つ。これは偶然ではない必然だ。

もちろんゲーセンで、そして暇なので乱入台で『ファン・ジャンチー』を使っていた。

カードを入れると乱入台でも、あまり俺には乱入されない。

そして、アーケードモードを七人目まで進めていた。

3300勝オーバーで、『超絶神』に挑む理由はあまり考えられないからだ。


だが、勇者は突然現れた。

(おっ、来たか)

その勇者の名前は『ペリシアン』。

どこかで見たことある名前だ。だけど選んだキャラで直ぐにわかった。

その対戦相手は、『ジョニー』を迷わずに選んでいたのだ。


(まあ、待ちぐらいでは勝てる理由はないけどな)

戦いは始まり、ジョニーは案の定待ちに入っていく。俺とは間合いをとって戦う。

だが、カウンターを固める相手なら中段キックを牽制に入れればいい。


そのままガードを固めれば、ガードの上から投げればいい。

投げのモーションはわずか遅いが、ガードから攻撃に移るまでにわずかの時間がかかってしまう。

それまでに投げが決まるから、カウンター気味に投げが入ってダメージも上がるのだ。


相手は投げばかりをくらい、最初の一ポイントを奪う。

(そうなれば、カウンターを次はしにくくなる。ここで、動くはずだ)

俺の予想ではジョニーは、今度は動いてくる。

だが、俺のファン・ジャンチーはユズより手数はずっと遅い。

ただの殴り合いでは、ジョニーは決して負けないだろう。

それが初心者キャラの、高性能な所以でもあるが。


そういう相手とは、何度も戦っていた。

レバーを下に長押して、ファンはあおむけに倒れた。

決っしてライフがなくなったわけではい、自発的に倒れた。


実はファンには、倒れているところからの派生技があるのだ。初心者にはいやらしい相手でもある。

ファンが倒れると、ジョニーのラッシュが全て空振りになっていた。

倒れることで、上段と中段攻撃は完全に当たらないのだ。

逆に言えば倒れることでガードはできないから無防備で、唯一下段蹴りしか効かない。

だけどその前に、ファンには倒れ技からのラッシュがあった。

予期できない俺の戦術に、ジョニーに対してすべてのコンボが面白いように当たってポイントも奪った。


(まあ、これで相手はいろいろ考えるだろう)

戦いの引き出しは、圧倒的に俺が多いのだ。

倒れ技というファンの動きに加え、投げやキャンセル技を用いて、ジョニーを次々と翻弄していた。


結局俺は一ポイントこそ奪われたが、容赦なく五ポイントを奪って完勝した。

俺は勝利を収めて、アーケードモードをやっていると奥から女が俺の方に近づいてきた。



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