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たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
七話:自信のつけかた
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俺に対し、竜二は不満そうな顔を見せた。

手には、自分のプレイヤーカード。そこには竜二の95敗の文字が刻まれていた。

それでもゲームが続く俺は、黙々とやっていた。

ギャラリーもあの後の乱入を試みる者は、今のところ現れない。


「くそっ、また負けたじゃねぇか!」

「そうだな」

「相変わらずだな」

「最近、俺のユズが強くなったみたいだ」

「アイツに教えていたからか?」

「ああ」ゲーム画面では俺は、ライバルキャラの『デス・ストロング』と戦っていた。

アーケード三本制のうち、最初の二本はコンボの練習をしている。

つまりはほぼ倒しに行かないで、わざと負けていた。


「そういえば、今日はお前の弟子はいないのか?」

「バイトだ。今週は一週間前倒しでバイト入れてもらった」

「来週?ああ、いよいよ店舗大会だな」

竜二は、そう言いながら初心者台のそばに貼ってある大きなポスターを指さす。

無論、俺もそれは知っていた。


「今日のリベンジは、次回必ずやるからな」

「竜二……あのな」

「どうした?和成?」

「今回、俺は出ない」

俺は一言、竜二にそう言っていた。

次の瞬間、竜二が俺のシャツの襟を乱暴に掴んでいた。


「お前、ふざけるなよ!」メンチの効いた脅しのような目で、俺を睨んでいた。



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