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たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
七話:自信のつけかた
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二日後、日曜日になった。

俺は早速乱入台で、戦っていた。

カードを使って戦うと、アイツがやってくる。

逆に言うと俺の戦歴を見て、戦いたい勇者はなかなか現れない。

そしてステージ6に差し掛かった時、乱入されていた。


「来たな、『ドラツー』」

名前を見た瞬間、奥に竜二が気だるそうに座っている事まで想像できた。

一応ゲーセンの隙間から足もかすかに見えるが。

日曜日の昼間ということもあり、ギャラリーはそこそこ集まっていた。


「おい、見ろよ。あれは『覇王』だぜ。すごくないか」

「あっちは『超絶神』だって、やべえ、初めて見た」

俺と竜二の称号は、見ただけでわかる。そして、この二つの称号は最強を示していた。


ゲームの画面では、俺は意外なキャラを使う。通常の持ちキャラじゃない『ユズ』だ。

一方の竜二は、こちらもメインではない『ジョニー』。

ただ、持ちキャラではないものの、初心者では歯が立たない強さではある。

かくして、ハイレベルな戦いが繰り広げられた。


画面のユズと、ジョニーの攻防の展開が早い。

それとお互いに間合いを把握している中で、距離のとり方も絶妙だ。

上級者の戦いは、一つのミスで決まる居合のようなものだ。

そして、それは僅かなコマンドミスから、俺のユズが攻め込んでいた。

連続技が決まれば、あっという間にジョニーは追い詰められた。そして最初のポイントを奪う。


「おおっ、あのコンボすごい」

「マジかよ、あの攻撃を避けたあのジョニーやばくない?」

家族連れのギャラリーや、中級者の社会人ギャラリーが声を上げていた。


そんな中でも俺は冷静に戦っていた。最初のポイントを奪ったことで流れが来た。

激しい戦いの末、三ポイント連取し、王手をかけていた。


「これは、前回のリベンジ」

なんというか、今日のユズは調子がいい。

杏那に教えている影響か、持ちキャラ『ファン』より上手くなっている気がしたのは気のせいではない。

最後も、激しい攻防を制して俺は勝利を収めたのだった。


ギャラリーから、途端に拍手が巻き起こる戦い。

俺はそれに反応はしないで、ユズの動きを見ていた。

そのまま再びアーケードモードを、黙々と進めていた。

そして、奥から予想通り赤い髪のヤンキーが姿を見せていた。



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