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たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
七話:自信のつけかた
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夕方、日課のゲーセンに行く。

今日は、杏那のバイトがない金曜日だ。

それはつまるところ、たっぷり練習ができるということでもあることだ。

だが、その出会いは最悪だった。

ゲーセンに入って、UFOキャッチャーエリアでそれは遭遇した。


「なんでいるのよ」

「あら、偶然ここに来ましてよ」

そこには、なぜか眼鏡姿の女である歩美がいた。

俺と杏那が一緒にいるときに、なんだかわざわざ歩美が待ち伏せているかのようだ。


「偶然じゃないでしょ、デコちゃん」

「あら、何をおっしゃっているのです?優等生のあんこ餅!」

「うるさいわね、デコちゃん、黙りなさいよ、デコちゃん!」

「あんただって、男嫌いのあんこ餅でしょ!」

傍から見ると、女同士がただ喚いているだけにしか見えない。

女同士の喧嘩は面倒で、うまく処理できそうもない。

俺は、適当にフェイドアウトしようとした。


「ちょっとあんた」そんな時、逃げようとした俺が歩美に呼び出された。

「なんだよ?」

「昼間見ていたの、あれ?何かしら?」

「あれ?『リアルファイター6』だけど」

「もしかして、このゲームセンターにそれがあるのかしら?」

「ああ、あるよ」

俺がちょっと言おうとしたとき、杏那が俺のそばで軽く肘打ちをした。


「ちょっと、和成っ!あいつに、つき合う必要ないわよ」

「え、でも……」

「あんこ餅、あんたは黙っていて。それより三下、案内してくれるかしら?

案内してくれたら、この千円あげるわよ」

やっぱり上からモノを言ってくるタイプだ。千円札をちらつかせてくる、俺は苦手だな。


「まあ、そこにあるんだけど」俺は、すぐ見えるビデオゲームのエリアの方を指さした。

「まあ、そうでしたの。ではごきげん遊ばせ」

「ちょっと、デコちゃん逃げる気?」

そんな時、歩美の腕を取ったのは杏那だ。


「ねえ、『リアルファイター6』は対戦ゲームだから勝負しない?」

「い、いいですわよ。歩美は、何をやってもあなたより格上だということを思い知りなさい」

杏那の挑発に、まんまと歩美は乗っかっていた。

杏那は悪そうな笑顔を見せていた。



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