表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
一話:弟子入り
8/152

008

俺は、百円を入れてゲームを開始した。乱入だ。

そして、乱入台で六連勝をしていたチャンピオンをあっさり撃破。

言い忘れたが、使っているキャラは『ユウト』。空手家風の白い道着を着た若い男。

実際にはゲームの自体設定上、顔は老けていて五十代でもおかしくないのだが。


六連勝のチャンピオンを倒したあと、乱入は二度となかった。

そのままストーリーモードになって、最後にステージ8のラスボス『サイクロプス・改』を倒した。


「エンディング?」

遠目で見た磯貝が、体を乗り出してきた。

スタッフロールが流れているが、紛れもなくエンディングだ。


「ああ、そうだよ」

「やっぱり、あなたに頼んで正解だったわ」

「正解って、俺は御厨 和成……」

「じゃあ、和成。あなたは本当に強いわね」

そう素直に言われると、思わず照れてしまう。

このゲームは、俺にとってかなりヤリこんだゲームだ。

だから褒められるだけで、素直に嬉しい表情になった。


「磯貝はクリア……」

「あたしは『磯貝 杏那』よ。

磯貝って名前より、杏那の方が名前気に入っているから、そっちで呼びなさい」

「はあ、じゃあ……杏那」

言いながら、かなり抵抗があった。

初めて名前を知った女の子を、いきなり下の名前で言うのはかなり照れくさい。

磯貝 杏那の横顔は、確かにかわいい。由人の話の言うとおりだ。


「そうよ、あたしは和成の弟子だから」

「そんなことより、ゲームの経験はないよな」

「ないわ、初めてよ!」

「ほかのビデオゲームとか……ないか?」

「ないけど、それがどうしたの?」

「じゃあ、そういう初心者には……こっち」

俺は椅子から立ち上がって、磯貝……杏那の手を引いた。


「この台はベテラン用だから、あっちに初心者用の台がある」

そう言いながら、俺が指さしたのは同じような『リアルファイター6』のゲーム筐体だった。

壁の隅に追いやられたゲーム筐体に、杏那を連れて行くことにした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ