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たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
五話:第二の禁止令
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『リアルファイター6』で、杏那はゲームをやっていた。

『レイナ』を使い、ゲームをじっくり進めていた。

初心者台は、一人でずっとやるには適していた。

後ろの三セットある乱入台は、常に入れ替えが激しい。

サラリーマンや、学生が入れ替わって戦っていた。


「普通に、進めないんだけど……」

杏那は、レイナの動きに苦労していた。このレイナだけで、既に三百円を使っていた。

リーチは短いし、攻撃は当たりにくい。無論ダメージも低い。

最初はランダムの四人目で負けて、二回目は髑髏丸で負けた。

そして、現在はランダムで戦う四人目を突破したところだ。


「コマンドを、ちゃんと見ているか?」杏那の後ろにいる俺が、苦戦続きの杏那に声をかける。

「使える技が、わからないわ」

単体技も、使える技が限られていた。

しかも、本人がリーチ短いので当てるのだって一苦労だ。


「まあ、頭を使え」

「使っているわよ」

そんな中で、五人目に戦う相手を倒していた。

ポイントを三ポイント上手くとって、六人目に変わっていく。


「でも、これだけリーチ短いとサイクロプス・改はきつくない?」

「そんなにきつくはないよ」

「え、どういうこと?」

「レイナは「弱い弱い」ってよく言われるけど、弱くないんだよ」

俺はそう言いながら、杏那の動きを見ていた。

六人目の髑髏丸は、杏那が苦手らしく攻め込まれて一ポイントを奪われてしまう。

すると、杏那の隣に座っていた祈里が黙っていられないのか口を開いた。


「もう、磯貝さんなら倒せるじゃない」

「え、祈里?」

「だって、ユズとレイナって攻め方が似ているし」

「似ている?」

「リーチの短さも、手数の速さもある。

ユズの場合はダメージがちょっと高いし、技が使えるのが多い。

ユズは『ユズコンビネーション』やワンツー、キック技で押すけどレイナは違う。

例えば……後ろPP長押しとか」

「このワザ?」

そう言いながら、杏那が祈里の言うとおりのコマンドを入れていた。


「ああ、言っちゃったな」と俺は、苦笑いをしていた。

すると、レイナは両手を前に突き出し、人差し指を銃のように突き出す。


「それは禁止だろ、祈里」

「まあまあ、いいじゃない」

そう言いながら、レイナが放つのは『マジカルガン』と喋りながら放つ。

指先からレーザービームが飛び出して、少し奥に居る髑髏丸に命中した。


「これを連発していれば、コンピューターならどんな相手でも勝てるわ」

祈里が、怪しく笑いながら言っていた。それは、レイナが対コンピューター戦で最も楽な方法だ。

一つの技を連発して、髑髏丸から連続で三ポイントを奪う。


「ありがと、祈里ちゃん」

「うん、いいの」祈里が杏那に感謝をされていた。

だけど、俺は一つのことに気づいた。それは、今日の杏那の動きを見て判断したことだ。


「杏那、ちょっといいか?」

「え、何?」

「明日日曜だし、今日、ウチに泊まりに来ない?」

再び、俺は思い切って誘っていた。杏那は、ちょっと考えて「うん」と返事した。



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