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たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
五話:第二の禁止令
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俺の妹は『リアルファイター6』では、極めて優秀だ。

幼い頃から俺と一緒にゲームをしていたことが、大きく影響しているが。

初心者台に座っている、初心者ではない祈里。

そして、『レイナ』を選んで進んでいく。隣で杏那が、食い入るように画面を見ていた。


「うわ、すごい」それは祈里の操る『レイナ』の動きだ。

だけど、それ以上に杏那が祈里のレバー裁きに見とれていた。

祈里のレバーを持つ持ち方には、特徴があった。

レバーの丸い玉を、左の親指で支えて左人差し指で支えるだけ。

俺とは異なるフォームから、画面内の小さな魔法少女(レイナ)を軽快に動かす。


「早い、なんでこんなに動けるの?」

「レイナは素早いのが特徴よ」

あっという間に間合いを詰めて、再び華麗に離れていく。

短いリーチのパンチを的確に当てて、離れるさまはプロボクサーみたいだ。

そして、あっさり五人目を倒していた。


「相手の攻撃が、空を切っていく」

「攻撃の外れる瞬間に合わせて動く、これが基本よ」

「へえ、いろんな戦い方があるのね」

「当たり前よ。キャラにはそれぞれ個性があるんだし、戦い方も全て別なのよ。

まあ今のところはコンピューターだから、特別工夫しなくても問題ないわ」

祈里は喋りながらも、ライバルキャラである忍者『髑髏丸(ドクロル)』を倒していた。


「要はそのキャラクターの強さを、見つけること」

「強さ?」

「全てのキャラクターに優位性があって、有効な技もある。

どんな人もそう、どんな人間にも必ず強みがあるって……お兄ちゃんが言っていた」

「祈里、それは……」確かに言っていたかもしれないが、それを暴露されて俺は少し恥ずかしくなった。

祈里の言葉を、真剣に聞き入っている杏那。


祈里は手馴れた動きで、アントニーもサイクロプス・改もあっさりと倒していた。

杏那は「すごい」と漏らしながら、祈里が倒すさまを最後まで見ていた。


「今度はあんたの番よ」祈里はエンディングロールをスキップさせて、華麗に立ち上がっていた。



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