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たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
五話:第二の禁止令
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サイクロプス・改に惜しいところで負けた杏那。

杏那はコンテニューをしようとしたが、俺の言葉を思い出してやめていた。


ゲームオーバーになり、再び一から始める杏那。

俺はずっと隣で、杏那のゲームを見ていた。


「ねえ、技が変わっているなら、初めから言ってよ!」

「食らったほうが覚えるだろ」

「でも、情報があっても良くない?」

「いや、むしろ対応力を上げるためだ。

一度失敗したほうが覚えるし、杏那のスキル向上にもつながるからな」

「そうですか、師匠」不満そうな顔で言いながら、ユウトを選んでいた。


「あの技の対処法は、分かるか?」

「見た感じ、中断のガード不能でしょ。下段にしゃがめばいいの?」

「すごいね、正解」俺は、パチパチと乾いた拍手をした。


「ねえ、ユウトで、ノーコンテニュークリアをしたら終わり?対戦?」

「そんな訳は無いぞ」

「えー、なんでよ?」

「全員のクリアって言わなかったっけ?」

「え、ユズ以外全員ってこのゲームのキャラクター、一体何人にいるのよ!」

「全員だ、まあアンソニーはランダムキャラだから除外はするが」

「そんなことをしたら、ユズを忘れちゃうじゃない!」

杏那は不満を言いながらも、ユウトで最初のステージを三連勝で勝ち抜けた。


「ユウトも、すっかり慣れただろ」

「戦い方が分かっていたからね」

ふてくされる杏那は、ゲームを続ける。俺はゲーセン筐体のそばにある、隙間にあるファイルを取った。


「これ、コンボ表。キャラの技の名前とコマンドだけが乗っている」

そこにあったファイルを広げて、杏那に見せていた。


「そ、そんなものがあるなら便利じゃない!」

「まあ、攻略本よりは書いていないけど、リアルファイター6には新キャラもいるし」

「あのさ、この子もやるの?」

そう言いながら、杏那が操る『ユウト』は二人目を倒し、三人目になっていた。

その三人目こそ、魔法少女の女の子『レイナ』だったのだ。



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