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たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
五話:第二の禁止令
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ゲーセンに三日ぶりに来た杏那は、とても嬉しそうだ。

まるで山奥に住んでいる少女が、両親に町中に連れてもらったような喜びようだ。

制服姿で、クルクルとダンスを踊るように回っている杏那。そんなに嬉しいのかよ。

そして、俺たちの前にはビデオゲームは今日も稼働していた。


「あたしは、とうとう帰ってきたわよ!」

学生鞄を持って、腰に手を当てて、ゲーセン前で女子高生が叫ぶ。


「あまり叫ぶな、恥ずかしい」

「だって、懐かしいんだもん!」

「そうよ、お兄ちゃんはいつもこんなところに磯貝さんと来ていたんだ」

そう言いながら俺の腕をしがみつくのは、セーラー服の少女で俺の妹の祈里だ。

実は、土曜日で午前中授業だった俺の学校。

杏那と、初めてゲーセンに行くことにしていた。

駐輪場から自転車を持ってきた俺の前、高校の校門に祈里が待ち伏せていた。


「祈里は、学校は?」

「今日は休みで、学校見学に行ったから」

確かに、今日は学校見学の日だと言っていたな。俺の学校には、見学に来ていないようだが。

資料が入っているだろう手提げバックを持ち、セーラー服姿の祈里。

俺と杏那がゲーセンに行くことを知った祈里も、俺に同行していた。


「ねえ、ゲーセンも久しぶりね」

「ああ、結構遠いからな」

「やっぱり松本中央は、近くていいね」

「ゲーセンが、学校選びの基準かよ?」

苦笑いをしている俺だ、まあ俺も否定はできないわけだが。


「ねえ、乱入するの?それとも初心者台?」杏那が俺に聞いてくる中、祈里が乱入台を見ていた。

「お兄ちゃん、ちょっと乱入してくる」

そう、祈里の前にある乱入台は誰かがやっていた。

ゲーセン封印している祈里は、迷うことなく乱入台筐体の椅子に座ってお金を入れていた。

お金と同時に、財布からカードを取り出していた。



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