046
『デス・ストロング』と『北条 ユズ』はライバルである。
前に一度、説明したとき杏那はめんどくさいと言い放ったところだ。
この六人目は、すべてのキャラクターに設定されているライバルキャラが出てくる。
しかも、そのライバルキャラが覚醒状態で出てきてオーラのようなものを纏っていた。
「え、なにこれ?覚醒?」
「ああ、覚醒状態。単純に相手が強くなる」
「なによ、それ?ダメージが上がったりするの?」
「正しくは、こちらの与えるダメージが下がる。防御力が上がるイメージらしいが」
「そう、なら問題ないわ」
杏那は、ユズを操作して攻撃を開始。
スピードと手数に長けたユズ。
だけど、ここまでくると人数が増えてくればくるほどはっきりしたものが戦っていて感じるだろう。
「動きがなんか、早くない?」
ユズの攻撃もあたっているが、デス・ストロングの一撃必殺の投げ技が決まった。
断末魔の叫び声をあげて、ユズは倒れていた。最初のポイントはデス・ストロングに入った。
「意外とやるわね」
「気をつけろ、相手の動きもかなり上手くなっているからな」
「まあ、最初のポイントが奪われても次を取れば……」
だけど、デス・ストロングの投げ技がまた決まって、二ポイント目も簡単に奪われた。
「な、なんか投げ技が強くない?」
「投げはもともとダメージが高い」
投げ技はガードしていても投げられるが、打撃技に弱い。
一部打撃から投げに変化する技を、このデス・ストロングは持っていた。
「フランケンシュタイナー、これだけはしゃがめよ」
「え?なに、その技」
杏那は知らなかった、技の名前を。自キャラの技の名前しか、杏那は知らなかった。
そんな中、画面内のデス・ストロングは体を小さくジャンプさせて飛び蹴りの体勢。
杏那の選択は、上段ガードをしていた。
だが、それを嘲り笑うようにデス・ストロングの足がユズの頭を挟み込んだ。
そのままユズを投げ飛ばした。投げの大ダメージを受けた杏那は、このまま負けてしまった。




