表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
三話:コンボ・コマンド
39/152

039

竜二は、当たり前のように強い。

まあ、俺が本気を出したらこのゲーセンの中では、竜二以外対戦相手すらならないだろ。

乱入台で、竜二が相手の『ユウト』をボコボコにしていた。


「すごい!竜二さん、めちゃくちゃ強いんですけど……」

「竜二は強いぞ」

「やはり……みんな強いのね」ため息混じりに、杏那はボソリと言う。


「でも、みんなは初心者だった頃はあるし、別に悲観することでもない」

「だけど、彼は店舗大会に出るんでしょ」

杏那の言葉に、俺は否定できなかった。

間違いなく竜二は、今回も出てくるだろう。

前回この店舗大会では、俺に次ぐ準優勝だからな。


「あたし、ガチで戦ってみたい!」

「え、竜二とか?」立ち上がった杏那を、俺はじっと見ていた。

「うん、だって竜二さんと戦うんだから、あたしが本気でどこまでやれるのか……」

「落ち着け、金の無駄だ」

俺は、杏那のか細い腕を引っ張った。

二の腕を引っ張られて、俺の手を振り払う。


「ちょっと、何あたしの腕を掴んでいるの?」

「ご、ごめん」

そして、杏那のことを思いのほか意識してしまった。

「……やっぱ、一度本気で戦ってみたいわ」

杏那は俺の指摘を無視して、竜二の裏にある乱入台に向かっていった。


(アイツ……しょうがないな)

俺も立ち上がり、杏那をつけるように一緒に乱入台に向かっていった。

そんな時に、俺は杏那が置き忘れた通学カバンを偶然にも見つけた。

手提げの通学カバンの手前のポケットには、バイトの時間表らしきものがちらりと見えていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ