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たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
三話:コンボ・コマンド
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俺は適当に乱入台をクリアさせて、初心者台に向かう。

平日の夕方で、小学生がやっていたが終わるのを待って台に杏那を座らせた。

2P側には、俺ではなく代わりに竜二が座った。

俺に負けて、渋々と従う竜二。そして竜二に要求していた。


「杏那が使う『ユズ』の、サンドバックになってくれ」

「しょうがないな、男と男の約束だからな」

一応杏那が初心者ということは話してある、竜二のプレイヤースキルなら、杏那に負けることはない。

だからこの言葉を、あえて忠告しておこう。

竜二が選択したのは『レイナ』、竜二の趣味に全然合わない魔法少女だ。

ツインテールの可愛い女の子が、可愛くポーズを決めた。まさに幼女の趣味キャラだ。

最弱キャラと言われるネタキャラ『レイナ』だけど、実はこれにも理由があった。


「杏那、竜二の使う『レイナ』はほかのキャラと違って、すごく小さいから当たりにくい。

上手く命中させないと、ダメージ通らないぞ」

「うん、わかったわ。でもこんな小さな女の子を殴るのは気が引けるわね……」

「お前、俺にレイナ使わせるだと……」

「男に二言はないよな、竜二?」俺が腕を組んで、ゴネる竜二を無理矢理納得させた。


「わかったよ、クソ!」

「じゃあ、ガード専念する竜二に昨日覚えたいろんなコンボを試せ」

「わかったわ、ちょっと気が引けないけど」

ユズも若い女だけど、流石にレイナよりは見た目通り年上だ。

レイナって、見た目は小学生にしか見えないよな。


杏那は、昨日覚えたコンボを入れる。

しかし、攻撃モーションを熟知している竜二はガードしていた。

「これがスピンキックで……これがキャノンパンチ」

杏那がコマンドを入れて、ユズが技を繰り出す。

だいぶ、動きが格闘ゲームらしくなってきたな。

だけど、流石の竜二だ。店舗大会準優勝の実力を発揮し、レイナで鮮やかにガードしていた。


「今度はこっちのコンボ……」

だが、入れようとした瞬間タイムアップ。

結局、両者ノーダメージでライフが減らないので、両者に1ポイントが入っていた。


「なあ、俺はいつまでやればいい?」

「今日一日だ」

竜二が嫌そうに聞くが、俺は一日を強調していた。



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