表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
二話:キャラ選び
26/152

026

『北条 ユズ』はスピードキャラ。だが、決して初心者向けのキャラではない。

中級者向けのキャラというゲーム公式の説明に、そう書かれていた。

理由は大きく二つ。一つはパワーが低い、威力がないので一発のダメージを稼げない。

スピードが速いキャラは、大体パワーがないようにバランスを取ってあるのだ。また逆も然り。


そして、もう一つ大きな理由があった。

それはサイクロプスと戦う上で、かなり大きな要因でもあるのだが。


「リーチが短い」コントローラーを受け取った俺は、ユズを選択した。

「リーチ?」杏那が俺に聞いてきた。

「キックは長いけど、ユズの得意なスピードが生きない。

パンチはリーチが短い、対してサイクロプスのリーチはものすごく長い。

しかも中には奥に逃げても、追尾する技も多くある」

「基本的にガードをするの?」

「ガードしても、間合いを広げる技もあるから相手が有利に働く。

つまりサイクロプスは、攻撃のターンをずっと続けられる。これがチートキャラである一番の所以だ」

「なによ、それ。インチキってことじゃない!」

「ああ、全くだ」俺が横目で祈里をジロリと見ていた。

キャラクター選択画面の制限時間が、再び0になった。


「お兄ちゃんずるい、私をいじめるのね。ひどいわ」

「祈里、流石にサイクロプスは反則だろ」

「だって……あきらめが悪いのよ……あたしはお兄ちゃんと……」

「はあ……しょうがない妹だな」

祈里に対して、大人気がないと思ってしまう。まあ実際、二つ年下の中学生だけど。


「絶対勝ってよ、和成師匠っ!」

「多分、無理だと思うけどな」

「お兄ちゃんもハンデいる?」聞いてきたのは祈里だ。

「いいや、ここは杏那の師匠としてノーハンデでやる」

「そう?わかったわよ」

かくして、俺の『ユズ』と祈里の『サイクロプス』の戦いは始まった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ