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たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
二話:キャラ選び
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時間はお昼だ。気がつけば、二人は五時間延々と戦っていた。

リビングのそば、ソファーの隣にあるテーブルに座る。

俺と祈里、杏那と母親の四人でテーブルを囲んで食事を取っていた。

朝を抜いていたので、単純に空腹があった。


「あれ、そういえばパパは?」聞いたのは祈里。

「パパは今日も仕事だからね」

「あっ、そうか」これで現在この家に、俺以外の男がいないことが判明した。

祈里が母親と会話をしながら、向かい合う席に座った母親の作ったパスタを食べていた。

エプロン姿の母親は、穏やかな顔で隣の席に座る杏那を見ていた。


「磯貝さん、お口に合うかしら?」

「はい、とっても美味しいです」

「そう?良かったわ」

俺の母親は、ニッコリと微笑み杏那もまた美味しそうに食べていた。

それにしてもすごい食欲だ、あっという間に半分以上食べていた。

これでも杏那の家庭のことは、まだ祈里や母親には喋っていない。

いや、多分喋るつもりはないと思うが。


「でも、びっくりしたわね」

「何のことだ?」

「カズ君がいきなり、朝に女の子を呼んでいたなんて」

「えっと、それはその……ゲームを教えてほしいっていうか……」

「またまた、大丈夫よ」目を細めて、俺の方に笑顔を見せていた。

年齢的には三十代後半の母親だけど、いかんせんかなり若く見られる容姿だ。

街を二人で歩くと、俺の妹に見えてしまったこともあるぐらいの見た目だ。

そんな会話をしていると、祈里が杏那を睨んでいるように見えた。


「でも、お兄ちゃんにふさわしいかどうか、私がよくよーく……調べますから」

「だから、本当にゲームを教えて欲しいわけで……」

「よくわからないけど、あなたも和成の弟子なのかしら?」

口を開いたのは、杏那。それを聞いた祈里は、チラリと横にいる俺を見ていた。


「弟子っていうか、お兄ちゃんです」

「仲がいいのね」

「はい、私とお兄ちゃんの仲の良さは有名で……」

「いきなり俺に引っつくな!」

隣にいる俺の右腕を掴んできた祈里。

前に由人も言っていたが、祈里は俺に対しての『独占欲』があるらしい。


「だってぇ、お兄ちゃんがいきなり女を家に連れ込むし……」

「だから、本当にゲームを教えるためで……」

「私のお兄ちゃんが欲しければ、勝負で勝たないとダメだから!」

「……いいわよ」なぜか祈里の挑発に、乗ってきた杏那。

俺はそんな二人を見て、苦笑いしながら見ていた。


(こんなハズじゃ、なかったけどな)そう思いながら、二人のやり取りを見ていた。



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