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たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
一話:弟子入り
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017

夏休み、一日だけ行ったあとすぐに日曜日。

夏休みボケが全く抜けない。寝苦しいのも変わらない。

夢の中にいた俺は、不規則な生活に慣れていた。

水色のパジャマを着て、ぐっすり熟睡中。


自分の部屋には、大きなベッドと大きなタンス、薄暗い部屋にベッドの上。

そんな俺は、体に重量を感じた。

汗が、顔から吹き出しているのがわかった。


「あ、暑い……重い……」寝言だ。

だけど俺はその苦しみから逃れるために、手をばたつかせた。

そして、なにか柔らかい何かに当たった。


「ん、なんだ?柔らかい」

「お兄ちゃん……そこ」

「ああ、祈里か……祈里?」

もちろん祈里と部屋が違う。俺一人の部屋だ。

だから、祈里が居ること自体が違和感なのだ。そしてゆっくりと目を開けた。


「あれ、なんで祈里が……俺のベッドに……って、お前!」

「ああ、お兄ちゃん起きたのね」

「起きた?今日は学校じゃないだろ、日曜じゃないか」

「日曜だけど……お客さん来ているよ」

「お客さん?」ぼんやりと目をこすりながら、本棚にある時計を見た。

時刻は七時、学校に行く時間とほぼ変わらない。


「うん、女の子。あの子は誰?すごく、可愛いい女の子だけど」

祈里がそう言いながら、なぜか俺の頬を、強くつねっていた。

それは強く、思いのほか痛かった。

そして、それに関してはたった一つだけ、心当たりがあった。思い出した、あいつの顔が。



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