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たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
十二話:県大会
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杏那はカバンの中を空けて、何かを探していた。

そして、見つけたのは紙の袋。

一応ラッピングされているが、袋がちょっとペチャンコになっていた。


「これ、ありがと」

「え?なに?」

「あたしに、ゲームを教えてくれて……その、あんたに」

「俺に?」杏那は、俺が紙袋を差し出していた。

「お礼よ、何度も言わせないで」

言ったのは初めてだが、俺は素直に受け取った。


「あ、ありがとう」

ちょっと照れくさい、まさか杏那が俺に感謝をしてくれるとは思わなかった。


「これは……指抜きグローブ?」

「そう、和成のグローブ。あたしのお礼」

「いや、すごいな。こんなの出ていたんだ」

「結構、大会の人もつけていたわよ」

「そうなんだ」俺は全然気付かなかった。

そもそも全国大会のゲーム筺体は、通常の乱入台だ。

相手の姿は、実際の戦いの時には見えないので気づかないのも無理はないが。


「和成も全国チャンプだから、身なりをきっちりしなさいよ」

「あれ、それって……」

俺はやはり棚にあるカバンを、取り出した。

そして取り出したのは、副賞だ。


「これ、リアルファイターのグローブ。そういえば全く同じだな」

「和成……」

俺の前で、杏那がなにかを我慢している表情を見せていた。

顔を赤くして、俺を睨んでいた。


「どうした?トイレか?」

「もう、超サイテーなんですけど!」

杏那は電車の中で、俺に切れた。

乗客がほとんどいない電車の中で、杏那の声がよく響いていた。



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