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たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
十二話:県大会
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俺のAグループが終わると、直ぐにBグループが始まっていた。

県大会のトーナメントは、順調に進んでいく。

Bの決勝は、予想通り謙信と杏那の父親の戦いだ。


この開発者枠は、やはり強い。

塩尻にある別のゲーセンで店舗優勝をした謙信に対して、勝利をしていた。

杏那が苦戦した謙信をストレートでくだし、勝利をした杏那の父親。


そして、いよいよ杏那のいるCの出番だ。

試合時間からだいぶ経っているのか、杏那は落ち着いていた。


「杏那、緊張していないよな」

「いいえ、程よく緊張しているわよ」

「まあ、それなら問題ない。それにしても相手は初戦の開発者か」

参加者唯一の女性である杏那の戦いは、注目を浴びていた。


「ここに来るのだから、参加者みんな強いでしょ。それよりも、パパがそこにいるのだから」

父親が、無難にBのトーナメントを勝ち抜けた。

杏那には、まだ戦うチャンスが残されているのだ。


「ああ、シード選手だから初戦から決勝みたいなものだ。気合入れていけよ!」

「当たり前でしょ、絶対に勝つわ」

杏那はそう言いながら、隣の対戦相手を見ていた。

そこには、開発者枠の青年がにこやかに杏那をみていた。

そして、戦いは始まる。俺は離れて、杏那の試合を見守っていた。


「しかし、開発者とはね……彼女も大変だ」

「謙信さん」

「はは、あの圭一郎さんの娘だったとは。才能があるのは違うなぁ」

「そうじゃないですよ」

俺は謙信に対し、はっきりと言っていた。


「才能ではない?」

「ええ、彼女の強い思いが戦わせている。

強くなりたいという気持ちが、彼女を強くした。それは格闘家として、最も大事なファクター」

開発者の男は『ユウト』を使う、杏那の『ユズ』と戦う。画面に映し出されて、ギャラリーから声を上げた。


それでも臆することなく、杏那はしっかり戦えていた。

今の杏那は、コンボミスも随分と減った。

いや、むしろコマンド入力が早くなっているようだ。

入力の速さは、ユズというスピード重視のキャラクターを強くしていた。


「あれか、二択コンボ!」

謙信も、思わず声を上げていた。ユズのドリミカルコンボは、相手を惑わす。

一度成功させると、ガードを迷わせる効果もあった。ユズが、次々とポイントを奪っていった。


「本当に強いね」

「今の杏那は、強い」

そして、杏那は優勝候補だった開発者の男を倒していた。



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