表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
十一話:悩みもがく者
129/152

129

由人がいないと、俺は自然とリアリファイターのあるビデオゲームエリアに向かう。

そして、俺はリアルファイターをやっていた。もちろん乱入台だ。

杏那をさがしたが、このゲーセンにはいない。

バイトはないはずなのに、今日は来ていない。


(県大会に行けるようになったら、俺はお払い箱だろうか)

杏那の最近のよそよそしさも、なんだか気になるところだ。

それでもゲームで、カードを入れて乱入者三人を撃破していた。

使用しているキャラは『ユズ』、杏那の得意キャラだ。

ただ俺の名前と戦歴を見た者は、もう乱入はしないだろう。

そんな中、乱入台は既にアーケードモード化していた。


(まあ、あいつにとったらそれが目的なんだし……)

でも腑に落ちない点も、いくつも感じた。

あの杏那は、そんなに残忍な人間なのだろうか。

一ヶ月ほど見てきたが、そこまで悪い人間には見えなかった。


(それよりも、俺も県大会がある)

今朝家のポストに、シードとして県大会の参加証が届いていた。

今週末の日曜に、県大会があるのが分かっていた。

前回王者として、俺は初めて参加するのだ。


(杏那に教えてばかりだったからな……このままだと『ファン・ジャンチー』は使えないかも)

だが、そんな俺の余裕を嘲笑う結果が画面で起きていた。

それはアーケードモード、ラスボスのサイクロプス・改戦。

まさかの一ポイントを、俺は奪われた。


(あっ、しまった)

本気で戦う中で、コンピューター相手にポイントを失ったのは久しぶりだ。


「お兄ちゃん、何やっているの?」

そんな時、俺の後ろから声をかけてきた女がいた。

俺が振り返ると、そこにはセーラー服の祈里が顔を覗いていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ