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たった一ヶ月で初心者女子高生が格闘ゲームを極める話  作者: 葉月 優奈
十話:群雄割拠
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塩尻のゲーセンは前回来たのは二年前。

中学三年の時に受験生だったとき、学校見学の一環で塩尻に来ていた。

その日の帰りで、ここのゲーセンを見つけた。最もネットで調べてここに来たわけだが。


『ゲーセンクラブ塩尻』、松本のゲーセンとは同一系統の会社。

建物は赤いけど、大きさは小さい。中に入るとよくわかった。


「UFOキャッチャーも少ないし、プリ機は一台だけなのね」

「うん、珍しいだろ。ついでにビデオゲームの筐体も六台しかない」

俺と杏那が、ゲーセンの中を一緒に歩く。

杏那は初めてらしく、キョロキョロと見回していた。


「ねえ、記念にプリクラ取らない?」

それはおそらく、結構古い機種と思われたプリクラ。

やはり杏那も女だ。女子だから、こういうのが好きだよな。


「いや、お金使ったし無駄はやめとく」

「無駄じゃないし、記念だし……」

俺の陰に隠れて杏那が、なんだかブツブツ言っていた。


「じゃあ、和成!」

「どうした?」

「もしあたしが優勝したら、プリクラ撮って」

しつこい杏那、俺は頭をかいてプリクラを見ていた。


「わかった、時間があったらな」

「ホント、ありがと」

「ただ、そう簡単に優勝はできないぞ。御厨殿」

そう言いながら俺の前に、一人の男が現れた。

それは背が高く、ねずみ色のスーツを着た大人の男性。


「ああ、謙信さん。お久しぶり」

「御厨殿、お久しぶりです。前回の県大会以来ですね」

そのねずみ色のスーツの男は、俺の前に頭をペコペコと下げていた。


「ちょっと、何をしているの?」杏那が、俺のそばでヒソヒソと聞いてきた。

「ああ、この人は『皆川 謙信』。塩尻の店舗大会、前回の優勝者だ」

「お初にお目にかかります、『皆川 謙信』です。車販売の営業をしております」

目を細めて、杏那に謙信は頭を下げてきた。そして、名刺をすかさず渡していた。



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