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9.魔王軍急襲!!
ジルバは勇者との間合いをジリジリと詰めていく。
すると一閃、忽ちに間合いに飛び込み剣を振り抜く。
勇者はギリギリ剣で受けるが力に押され、後ろへと体を飛ばされる。勇者はクルンと空中で一回りすると、地面へと着地した。
初めて猫が回避できずに剣を抜いて受けたことに、周囲の冒険者達は沸き上がる。
「いいぞ!ジルバ!」
歓声を勢いに、ジルバが立て続けに2撃目を打ち込もうとした時だった。
「待ちな!」
女武道家が2人の間に飛び出て来た。
「おいおい!今日は止めるタイミングおかしいだろ!」
ジルバは苦笑いする。
武道家はジルバを無視し、遠い空を眺めている。
そこにはかすかな黒点が見えた。
「魔王軍だ!」
武道家は叫んだ。