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2.勇者は仲間を求めて いざ大都会!導きの魔法陣a

はそう少女に告げると周りのモンスターを睨みつける。


呆気にとられていたモンスター達はやっと状況を飲み込み、我先にと逃げていった。


「猫ちゃん!ありがとう!」

少女は泣きながら自分の背丈より少し高い、2本足で立つ猫を抱きしめた。


(猫ちゃん……。)


暫くするとオークの攻撃で気絶していた戦士達や、様子を見に来た村人達が集まってきた。


「少女から離れろモンスター!!みな、突撃だ!!」


突撃の号令により戦士や村人達が一斉に押し寄せる。


「いや。モンスターではない。ただのね…」


村人達の怒号により、猫の訴えは虚しくかき消された。







「いやーー、、すいません。てっきりモンスターだと。まさか勇者様だとは、、」


村の長老はしきりに恐縮しながら、ボコボコになった猫の手当てをする。


「よい。少女を助けんがため、私に立ち向かう皆の勇姿、見事であった。」


猫は包帯をぐるぐる巻きにされながら村人達を称えた。


「すみません。回復魔法を使えるものが村におらず…。昔は使える者もおったのですが…。」


「気にせずともよい。」


「勇者様はどうしてこの村へ?」


「ふむ…。この村から聖なる力を感じてな。」


「聖なる力…ですか?そのような力がこの村にあるとは…。」


「ふむ。恐らくモンスター達も何か理由があって、この村を襲ったのであろう。」


「そうですか…。確かに☆4モンスターなどこの辺りには…。」


長老は長い人生の記憶をしばらく辿るが、やがてあきらめた。


「本日はゆっくりと体を休めてください。あちらに温かい食事もご用意しております。」


「ありがたい。感謝する。」


「では、私達はこれで…。」


長老と村人達が部屋からぞろぞろと出ていく。先程の少女も母親に抱かれ、ぐっすりと眠っていた。


先程擦り剥いたのだろう。母の手からこぼれている少女の手の平に、血が滲んでいた。


村人達が出て行く瞬間、勇者は最後のMPを使って少女に向かってこっそりと回復呪文を唱えた。

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